ロイター通信によると、デナーロは結腸がんを患っており、ここ数週間入院して治療を受けていた。22日に昏睡状態に陥り、回復しなかった。
デナーロは今年1月、シチリア・パレルモの医療機関で治療を受けていたところを逮捕された。イタリアの日刊紙コリエレ・デラ・セラによるとその際、自分が捕まったのは病気だったからにすぎないと警察を嘲弄したという。
デナーロは病院に移送されるまで、イタリア最大の超厳重警備の刑務所である中部のラクイラ地区刑務所に収容されていた。ロイターによると遺体はシチリアに戻される見通しで、葬儀は「完全に」内密で執り行われるという。
被害者遺族「許せない」
デナーロは2002年、1990年代初めに起きた一連のテロ攻撃や殺人事件に関与したとして、欠席裁判で終身刑を言い渡された。最も悪名高い殺人事件には、マフィアを追及していたジョバンニ・ファルコーネとパオロ・ボルセリーノ両判事の1992年の暗殺が含まれる。翌1993年にはミラノ、フィレンツェ、ローマで、デナーロが指示したとされる一連の爆弾事件が起き、少なくとも10人が死亡した。
デナーロは同年、当時12歳の少年ジュゼッペ・ディ・マッテーオの殺害も命じたとされ、その罪で2012年に再び終身刑を宣告されている。ディ・マッテーオは、情報提供者になった元マフィアメンバーの子どもで、誘拐・絞殺され、遺体は酸で溶かされた。デナーロは逮捕後、殺害への関与を否定している。
ディ・マッテーオの弟ニコラは地元メディアの取材に対し、「まだニュースを咀嚼できていません。彼(デナーロ)はあまりに多くの秘密を抱えたままです。彼が(当局に)協力しないのは確信していました」と語り、「許すことはできません」と続けている。
(forbes.com 原文)