問題のツイートはおよそ1時間後に削除され、前大統領長男の広報担当者は政治専門紙のThe Hillに対して、アカウントがハックされたことを認めた。
20日午前にトランプ・ジュニアの1040万人のフォロワー宛に送られた1通の偽ツイートは、彼の父親が死去し、自身が2024年の大統領選に出馬することを発表した。
それに続く偽ツイートでは「リチャード・ハートは無実」と、最近、投資家を欺いた疑いで米国証券取引委員会(SEC)に告発された暗号資産インフルエンサーに言及し、トランプ・ジュニアが大統領に選ばれた暁には「SECを焼き払う」と明言した。
その他のツイートでは「ジェフリー・エプスタインとのいくつかの興味深いメッセージ」をからかい、インフルエンサーのローガン・ポールに対してトランプ・ジュニアが彼の恋人と寝たと挑発し、ジョー・バイデン大統領を人種差別的な用語で攻撃したほか、「北朝鮮はもうすぐ打ち負かされる」と予測して、金正恩総書記からインタビューの約束を取りつけたと最近発言したインフルエンサーのアディン・ロスをタグづけした。
乗っ取りは、個人資産2642億ドル(約39兆円)で世界一の富豪であるXのオーナー、イーロン・マスクが、昨年同氏がXを買収した直後に導入したXの有料認証システムを部分的に利用することで、スパムボットと偽アカウントを抑制すると約束したすぐ後のことだった。
マスクは、少なくとも90%の詐欺アカウントを排除したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが5月に主催したCEOカウンシル・サミットで断言したが、専門家らはその主張に異議を唱えており、最近になっても悪意を持つユーザーたちはXで誤情報の拡散を続けている。5月には、複数の認証済みアカウントを介して、ペンタゴンで爆発が起きたとするフェイク画像が拡散された。Xには偽広告もいまだに蔓延しており、マスクの名前と画像を使った暗号資産詐欺もある。
マスクによる昨年10月のツイッター買収は、多くの保守派に称賛され、トランプ・ジュニアもその1人だった。新オーナーは、言論の自由を推進するためと称する取り組みの中で、コンテンツの監視を緩めた。マスクはさらに、前オーナー時代に禁止された多数のアカウントを復活させ、その中には前大統領ドナルド・トランプのアカウントも含まれている。
(forbes.com 原文)