IFRCの情報は、国連が12日に開いた記者会見で、IFRCリビア派遣団を率いるタメル・ラマダンが報告した。
リビア東部を支配する「リビア国民軍(LNA)」のアフメド・ミスマリ報道官は同日の記者会見で、沿海部の都市デルナだけで約5000〜6000人の行方がわからなくなっていると説明。デルナの上流にある2つのダムが決壊し「地域全体が住民ごと海に押し流された」といい、不明者数はさらに増える可能性があるとしている。
リビアには10日、地中海の暴風雨「ダニエル」が直撃し、デルナなど沿海部の都市に最も深刻な被害が出た。洪水情報サイト「フラッドリスト」によると、リビア国立気象センターは北東部アルベイダで10日に24時間で414mm以上の猛烈な雨が降ったことを記録している。デルナの一部地域でも同日、24時間で170mmの大雨が降った。
世界気象機関(WMO)によると、デルナでは11日も24時間で73mmの降水量を記録した。リビア東部の最大都市ベンガジの9月の平均降水量はわずか3.3mmと推定されている。
ダニエルはリビアを襲う前、ブルガリア、ギリシャ、トルコでも洪水を引き起こし、AP通信によると少なくとも14人が死亡している。
リビア当局は、今回ほどの規模の暴風雨への備えができていなかったようだ。リビア救急当局の責任者であるオサマ・アリーはCNNの取材に「気象条件は十分に研究されていなかった。海面の高さや降水量、風速なども。この暴風雨が通過する可能性があるエリアや渓谷地帯に住む世帯の避難も行われなかった」と話している。
(forbes.com 原文)