コミュニティデザインに目覚めた瞬間
「これはチャンス!」と思った私はその方とともに今まで練り歩いてきた飲食店の方々にもお声をかけ、八尾市内の飲食店の横のつながりをつくり、まちを盛り上げる会、80(はちまる)会の結成に微力ながら関わることになりました。その後、「八尾グルMESSE(メッセ)」という公園を貸し切ってその日だけのオリジナルメニューを提供するイベントを10社ほどの飲食店のみなさんと開催し、あるブースではチケットがイベントオープンして1時間で売り切れるほどの大盛況で幕を閉じることができました。
このときの一体感やイベントが終わったときの高揚感、そして終わった後も尾を引くようにつづく人脈、信頼関係などがたまらなく好きになり、今でもたくさんのプロジェクトを企画し、本誌(Forbes JAPAN)でも取り上げられた135社の企業とまちづくりをする共創コミュニティ「みせるばやお」や地域を越えてものづくり企業が一斉にオープンファクトリーを行うイベント「FactorISM(ファクトリズム)」など、コミュニティデザインに勤しんでいます。
「まちの変化の起点になる」ということ
「変態な行政マン」という言葉は、私の行政時代の変わった動き、真剣に地域の企業に寄り添う姿を見て周りから名付けられたものです。Forbes JAPAN本誌に掲載されたときも答えていますが、私は変態をいい様に解釈しており、行政も地域も時代に合わせトランスフォーメーションしていくしかないと感じています。単に他とは違うという意味だけでなく、時代の変化に柔軟に対応していくのが「変態」だと解釈しています。
まちづくりも何でも行政でやる、政策を描いて実行は住民の皆さんということではなく、一緒になって動くことが大事です。同じ釜の飯を食うという言葉にあるように、地域の祭りなど、何か同じ方向に向かって歩みを進めると、その過程で信頼関係が生まれることがよくあります。
まちに住んでいながら、まちへの帰属意識が少ない、まちを良くすることがミッションのはずの行政マンがなぜか他人事なまちづくり。こんな状態では、何も生まれないし、地域もよくならない。何か一緒にコトを起こすことで、トキを共有し、気づけば、まちが好きになっていくし、帰属意識が高まっていく。
自分たちで少しずつ、手を加え、まちを良くしていく。そんな「まちの変化の起点になる」ことを私は目指して、今でも変態でありつづけようと新たなチャレンジをまちの人たちと繰り返しています。