テリーはまた、周辺気温を下げれば公衆衛生上も多くのメリットが得られると指摘した。これまでの研究で、気温が1度下がると猛暑時の救急外来受診が0.7~0.85%減少することがわかっている。
熱波や都市部の高温化は、若年層や高齢者、喘息など呼吸器疾患のある人にも悪影響を及ぼす恐れがある。
テリーによると、今夏にはプロジェクトの次段階がスタートし、遮熱塗装の導入対象を近隣地区に拡大するほか、屋根の遮熱対策について住民と協議を開始し、周辺気温をさらに下げるためにはどのような方法が取れるかを検討するという。
今後についてテリーは、カリフォルニア州をはじめ多くの州が、猛暑・ヒートアイランド対策への投資を始めていると説明。この問題への取り組みに関しては「唯一の秘策」はないと強調し、次のように語った。
「都市部の高温化対策では、自然ベースの解決策が決定的に重要だが、市街地のハードスケープにどう対処するのが最良なのかを考えることも必要だ。さまざまな解決策が大きな道具箱の中に詰まっているのが現状で、どう見ても私たちだけでは仕事を完遂できない。ここ北米で、ひいては世界中で、都市の熱力学を改善するのに役立つソリューションを有する組織・企業ととにかく前向きに協力していきたい」
GAFのクール・コミュニティー・プロジェクトに参加しているカリフォルニア州の非営利団体、Climate Resolveのジョナサン・パルフリー事務局長は、緑地化から路面・屋根の遮熱化まで異なる解決策を重ねていくことで、全体としてどのような違いを生み出せるかを検討しなければならないと説明。プロジェクトは「都市の猛暑対策について、特に行政サービスが不十分で(熱波の)影響を受けやすい地域に戦略を提供する」と述べた。
(forbes.com 原文)