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2023.06.30

政治家の演説をAIで評価 声の質や話の筋で定量的に判断

Getty Images

伝え方トレーニングサービスを提供するカエカは6月20日、政治家の話す力をAIで分析し、強みと課題を見つける演説力評価ツール「kaeka score politics」の提供を開始したことを発表した。演説をAIで分析し、定量的に診断するテストの提供は、日本で初となる。

カエカは、2019年にスピーチライター・スピーチトレーナーで同社代表取締役の千葉佳織氏が創業。同社はこれまで、伝え方トレーニングサービス「kaeka」を主軸に、経営者、政治家、社会人に向けて伝え方トレーニングを提供してきた。2023年1月には、一般向けに話す力を診断するオンラインサービス「kaeka score」をローンチしており、その政治家向け派生版が今回、提供が始まった「kaeka score politics」となる。

これまでカエカでは、衆議院・参議院議員、県知事や区長をはじめとする首長など、160人以上の政治家をサポート。近年、政治家の演説がSNSで拡散されて情報が広がりやすくなり、演説の重要性が高まる中、政治家からは演説について「これまで独学で続けてきたけれど、本当に良いやり方かわからない」「有権者に話が伝わらないなど指摘を受けた」「そもそも演説で何を伝えるべきなのかわからない」などといった悩みが寄せられていたという。

そこで同社は、政治家が自身の演説を客観的に把握し、改善に取り組めるようにするため、「kaeka score politics」を開発。同ツールでは30分間のオンライン口頭試験により、ユーザーの「言語力・構成力」「話し方」の特徴量を可視化するため、ユーザーは自らの伝える力の傾向を客観的に掴むことができる。AIと話し方の専門家の視点を融合させた採点方法により、定量的かつ視覚的な分析結果を抽出可能だ。300回以上の選挙戦をサポートし、勝率7割の実績を持つ選挙プランナーの松田馨氏が全面監修している。
受験イメージ

受験イメージ


カエカは3年間の受講者の蓄積を元に、独自の学習指標として14要素を生み出した。「kaeka score politics」では、そのうち「PLOT:筋の通る話をする力、話の筋を整える力」や「FACT:事実を扱う力」「SPEED:声のスピードを効果的に使う力 」「PITCH:声の高低を効果的に使う力」など、言語化や内容構築、話し方などに関する7つの要素に対応している。料金は1回2980円で、誰でもパソコンから受験できる。

「kaeka 」の受講者には、富山県知事の新田八朗氏や品川区長の森澤恭子氏、26歳で最年少芦屋市長となった高島崚輔氏などがいる。同社はこれから「kaeka score politics」を通して、政治家の伝え方向上をこれまで以上にサポートしていく。


プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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