ゲイツ財団が中国の医療団体に5000万ドル寄付、感染症対策で

ビル・ゲイツ(Getty Images)

ビル&メリンダ・ゲイツ財団は6月15日、北京市政府と提携し、感染症対策のために今後5年間で5000万ドル(約70億円)を寄付すると発表した。

また北京の清華大学も、同大学とゲイツ財団、北京市政府らが共同で設立した非営利団体「世界健康薬品研究開発センター(GHDDI)」との取り組みを通じ、結核やマラリアなどの感染症の治療法を改善する研究を行うという。GHDDIは、革新的研究に関する中国初の官民パートナーシップとして2016年に設立されていた。

「世界の感染症の重荷の90%は低・中所得の国々が背負っているが、これらの病気の治療法の開発に向けた支出は、世界の医薬品の研究開発の支出のわずか10%に過ぎない。このことは、世界のヘルスケア分野の不平等さを示す顕著な例と言える」とゲイツ財団は述べている。

今後の5年間でゲイツ財団はGHDDIに5000万ドルを提供し、北京市政府もこれと同額を提供すると同研究所は述べている。清華大学も、研究プラットフォームの構築や研究成果の翻訳、人材育成などの分野で、GHDDIを引き続き支援する予定という。ゲイツ財団の共同会長のビル・ゲイツは今週北京を訪問しており、15日に同研究所で行われた講演で、貧困の削減と医療分野での中国の進歩を賞賛した。

GHDDIは主に、低・中所得国の女性や子ども、HIV/AIDS患者らに影響を及ぼす結核やマラリアなどの感染症の新薬開発に注力すると声明で述べている。

フォーブスの試算で保有資産が1169億ドルとされる世界6位の富豪であるゲイツは、アントニー・ブリンケン国務長官の訪中に先駆け、14日に北京に到着し、16日に習近平国家主席と面会する予定だと報じられている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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