一例を挙げると、学術誌『Archives of Sexual Behavior』に掲載されたある論文では、調査対象者の中で「不貞行為(infidelity:現在のパートナー以外との性的行動)」をしたと自己申告した者の割合は、男女ともに約20%で(男性で23.2%、女性で19.2%)、性別による顕著な差はなかったと結論されている。
では、女性がこうした行動に走る3つの理由と、それを防ぐための対策を以下に解説しよう。
第1の理由:感情面での不満の蓄積
学術誌『Trends In Psychology』に掲載されたある研究論文によると、男性が不貞行為に走るのはもっぱら性的な理由からであるのに対して、女性の場合は、心の隙間を埋めたいとの思いが主な理由の1つとなっているという。コミュニケーションや共感、敬意、献身、心の支えを得たいという、人間としての基本的な欲求を満たそうとするなかで、女性が感情のはけ口としての不貞行為に「避難場所」を見いだすことは起こり得る。感情にまつわる不満は、性的な不満と同じくらい、人を傷つけるものだからだ。
良好な関係を続けるためには、パートナーに基本的な敬意を払う、お互いに支え合う、関係に亀裂が入ればすぐに修復に努めるといった心がけが必要なことは広く知られている。だがそれ以外にも、ある研究は、パートナーといっしょに瞑想を行うことが、不貞行為を防ぐための効果的な手段になり得ると示唆している。
『JAMA Psychiatry』に掲載された研究によると、パートナーとペアを組んで瞑想を行うと、相手との心の距離が縮まり、時とともに、心の内に秘めていた思いを明かしたいという気持ちが高まるという。
まずはパートナーと対面して座り、タイマーをセットする。それから、目を閉じて、瞑想してみよう。その際には無音でもいいし、瞑想用のガイド音声を使ってもかまわない。
セッションが終わったら、瞑想していた間に頭に浮かんだことを、順番に話してみよう。この際には「今、ここ」にあるパートナーとの関係に向き合ってこそ、真の意味で相手と親密になれることを肝に銘じておこう。