以下、植物由来の消費財を開発した注目企業3社を紹介する。いずれも、女性が立ち上げた企業だ。
EQUO(イクオ)
植物由来の原料で作る使い捨てストローやフードコンテナを生産するイクオは、すでに15カ国以上で製品を販売している。手掛けるカトラリー類は、古くからベトナムで使われてきたもの。両親がベトナム出身の創業者マリーナ・トランヴーにとっては、もともと身近なものだった。ベトナムに本社を置くイクオの製品に使われている素材は、米、コーヒー、サトウキビ、ココナッツの副産物や廃棄物に含まれるセルロースだ。アジアでは伝統的なものであることから、イクオの製品は生産をすべて委託することが可能で、同社は業務をマーケティングに集中することができる。
2020年にKickstarter(キックスターター)で資金を調達し、起業したトランヴーは、それ以前にはユニリーバとバカルディに勤務し、マーケティングの経験を積んでいた。ベトナムでの売れ行きが好調なほか、米国とカナダでもオンライン販売で売り上げを伸ばしている。
Here We Flo(ヒア・ウィ・フロー)
共同創業者のタラ・チャンドラとスーザン・アレンが植物由来の素材で生理用品を作ることを思いついたのは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの修士課程に在籍していたときだったという。英国に本社を置くヒア・ウィ・フローは現在、3種類の製品を販売しており、いずれもユーモアのあるネーミングが印象的だ。アイスクリームのようなパッケージが特徴の「FLO(フロー)」は生理用ナプキン、「glo(グロー)」は尿漏れパッド、「XO!(エクソ)」は天然ゴム製のコンドームだ。
同社の製品には、竹やトウモロコシの繊維、タンザニアの女性が運営する農園からスイスのリーメイ(Remei)を通じて調達したコットンなどが使用されている。
他社が販売している類似製品の大半はパッケージに石油由来のプラスチックフィルム(リサイクルできないことが多い)を使用しているが、ヒア・ウィ・フローは植物由来の「ネイチャーフレックス(Natureflex)」や、コーンスターチ製のフィルムを使っている。
同社は、森林農法と太陽光発電を取り入れ、「持続可能な形で、協力的に」天然ゴムを生産するための「リジェネラティブ・ラバー・イニシアチブ(Regenerative Rubber Initiative)」の創設メンバーでもある。