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2023.03.10 11:00

貝殻からヘルメット 万博で実現する「未来」のクリエイティブ12選

プラスチック加工の甲子化学工業(大阪)は、廃棄プラスチックと廃棄ホタテ貝殻を混ぜたリサイクル素材「カラスチック」でつくるヘルメット「ホタメット」を提案。

同社によると、プラスチックは年間600万トン、ホタテ貝殻は年間20万トンが廃棄されている。今回のホタメットでは北海道のホタテの貝殻を使用し、貝殻のような目を引くデザインのヘルメットを制作予定。今後、デザイン面とともに耐久性などの課題もクリアにしていく。
 

リサイクル素材「カラスチック」でつくる甲子化学工業の「ホタメット」

このほか、東京ガールズコレクション(TGC)を運営するW TOKYO(東京)が、下水を有効活用するサーキュラーバイオトイレを提案。象印マホービンなどは、来場者がマイボトルを洗える洗浄機を開発し、ごみ排出ゼロのドリンク提供システムをつくる。

さらに、ゴミ箱ならぬ「資源回収箱」に関する提案や、企業などで余った防災備蓄食品を活用する取り組みなども選定された。

これらのアイデアは、2025年の万博開催までに形にし、場合によっては商品化もされる予定。デザイナーの倉本仁は次のように挨拶した。

「昨今、デザインの意味やデザイナーに求められることも変わってきています。何でもつくれば売れるという時代ではなくなり、つくったものが社会のなかどのように活用され、社会がまわっていくのか、ということまで考える必要があります。万博では、そのことにたくさんの人が取り組んでいます。選定事業者の皆さんに伴走していくのが楽しみです」

「Co-Design Challenge(CDC)」選定事業は以下の通り。

1.想うベンチーいのちの循環ー
代表:エイチ・ツー・オー リテイリング (大阪府大阪市)
協力:一般財団法人大阪府みどり公社、スークカンパニー

2.これからの「未利用間伐材を活用したベンチ」
代表:エースジャパン (京都府相楽郡)
協力:ダブルクラッチ、Fortmarei

3.ー廃棄繊維を色で分けてアップサイクルー
サーキュラーエコノミーに繋がるこれからの“ベンチ”をデザインする
代表:colourloop(京都市下京区)
協力:アボード、ナカノ

4.ごみから作るサステナブルなヘルメット
代表:甲子化学工業(大阪府大阪市)

5.国産材、地域材活用のための木製ベンチ
代表:コクヨ (大阪府大阪市)
協力:VUILD 

6.これからのマイボトルの使い方をデザインする マイボトルで飲料提供するための洗浄機の提案
代表:象印マホービン (大阪府大阪市)
協力:中農製作所

7.サーキュラーバイオトイレで世界中の新しい水をデザインする
代表:W TOKYO(東京都渋谷区)

8.これからのゴミ箱(資源回収箱)をデザインする
代表:テラサイクルジャパン(神奈川県横浜市)
協力:イオン

9.サスティナブルストックプラン(持続可能な防災備蓄計画と多様な連携による防災備蓄食の廃棄ゼロへ)
代表:公益社団法人日本非常食推進機構(三重県四日市市)
協力:尾西食品、特定非営利活動法人日本セルプセンター、プラザオーサカ

10.資源循環に貢献したくなるスマート回収箱とスマートフォンアプリ
代表:日立造船 (大阪府大阪市)
協力:大栄環境、大栄環境総研

11.循環型食器「edish」
代表:丸紅 (東京都千代田区)
協力:プラス産業

12.持続可能である木の暮らし、その循環の中に存在する、吉野材のベンチ
代表:一般社団法人吉野と暮らす会(奈良県吉野郡)
協力:グリーンフォレストエンタープライズ、丸商店、一般社団法人夢洲新産業・都市創造機構、吉野中央木材

文=田中友梨 画像=Co-Design Challenge提供

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