満月の夜は月を見る最適なタイミングではないという天文家がいるかもしれない。その人は間違ってはいないが、何かを忘れてしまっている。確かに、月のクレーターや山を詳しく観察したいなら、月が一部しか光っていないときに双眼鏡や望遠鏡で月面を見るべきだ。初心者にとっては恐ろしく見えにくいかもしれないが「terminator(明暗境界線。月面の明るい部分と暗い部分を区切る線)」で、クレーターと山が落とす長い影を見ることができるというのは本当だ。
月の出に満月を見る理由
それでも、満月の夜が自然に興味を抱く人すべてにとって重要な機会であることに変わりはない。それがあの魅惑的なオレンジ色の球体として地平線に現れる瞬間を見るだけのためであっても。それは間違いなく、最も壮観な景色であり、もしあなたが自分の目で見たことがあまりないのなら、3月の「Worm Moon(ワームムーン、北半球の冬最後の満月)」が、見逃せないチャンスを与えてくれる。ワームムーンを見るべきタイミング
3月の「ワームムーン」を見るべき正確な日時を、北米および欧州の主要都市いくつかについて下に書いた。みなさんには住んでいる地域の月の出と月の入りの正確な時刻を調べておくことをお勧めする(日本の情報はこちら)。この時間ぴったりに地平線の上に満月が見えなくても心配はいらない。間違いなく、すぐに現れる!ロンドンでは、沈みゆく太陽と昇りくる月の完璧な同期が見られる。
2023年3月7日火曜日の日没直後
北米では、3月7日の晩が夕暮れの空に「ワームムーン」が昇るところを見る最高の機会を与えてくれる。・ニューヨーク:日の入りが午後5時53分EST(東部標準時)、月の出が午後6時10分EST(満月の瞬間は午前7時40分EST)
・ロサンゼルス・日の入りが午後5時53分PST(太平洋標準時)、月の出が午後6時19分PST(満月の瞬間は午前4時40分PST)
・ロンドン:日の入りが午後5時49分GMT(グリニッジ標準時)、月の出も午後5時49分GMT。完璧な一致!(満月は午後0時40分GMT)
・東京:日の入りが午後5時41分JST(日本標準時)、月の出が午後5時24分JST(満月の瞬間は午後9時40分JST)
なぜ「ワームムーン」と呼ばれているのか?
北半球における冬最後の満月「ワームムーン」は、徐々に気温が上がり土の中から虫(worm、ワーム)たちが現れることから名づけられた。この名前はアメリカ先住民族に由来している。3月の満月は「Lentern Moon(ランタンムーン)」と呼ばれることもあり、これは「春の月」という意味だ。次の満月はいつ?
4月の満月、すなわち北半球において春、最初の満月は「Pink Moon(ピンクムーン)」で、協定世界時2023年4月6日木曜日12時40分に完全な満月になる。「wild ground phlox(ツルハナシノブの仲間)」のピンクの花に因んで名づけられた「ピンクムーン」は、日の入り直後の地平線に現れる。澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
(forbes.com 原文)