未成年の露骨なコンテンツを削除する「Take It Down」にメタが出資

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メタの「暗号化」の取り組みが障害に

しかし、この取り組みにとって最大の障害の1つは、エンド・ツー・エンドの暗号化の問題だ。NCMECのCEOのデローンは、今月の上院司法委員会の公聴会で「テクノロジー企業が、予防策を組み込まないまま暗号化を実施すると、子どもの安全に壊滅的な影響を及ぼす」と証言した。ここで懸念されるのは、この取り組みに出資するメタが、インスタグラムとフェイスブックのメッセンジャーのエンド・ツー・エンドの暗号化に向けて急ピッチで動いていることだ。

メタのグローバル安全責任者のアンティゴーン・デイヴィスはフォーブスの取材に「暗号化によって特定の画像が当社で識別できなくなる」としながらも、暗号化が、ユーザーのプライバシーとセキュリティに欠かせないものになりつつあると述べた。また、ハッシュ技術の利用や、今回のようなプロジェクトでNCMECを支援することは、メタが、問題に真正面から取り組むための方法の1つだと彼女は付け加えた。

「これらの問題に対処するための万能薬はない」とデイヴィスは語り、メタのアプローチを「多面的なもの」と表現した。同社はTake It Downへの出資に加え、メッセージング機能を通じて成人が見知らぬ未成年者とつながることを許可していないという。また、オンライン上で不審な行動をとった大人のユーザーに、未成年のアカウントやコンテンツがプッシュされないような機能も追加しているという。

NCMECは、同団体の情報窓口のCyberTiplineに情報を寄せた約200のサービスプロバイダーに、このプログラムへの参加を働きかけているという。YuboのCEOのサシャ・ラジミは「リスクを軽減し、オンライン上の問題を解決するには、政府の介入だけでは不十分だ。より多くのSNSがTake It Downのイニシアチブに参加することを期待している」と語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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