健康

2023.01.27

新型コロナ誤情報ミーム「ファイザーに感謝」が再拡散中

Getty Images

CDCの広報担当者は同年1月、デセルの出身地であるルイジアナ州で「この種の症状を示す有害な副作用の報告はない」とワイアードに語った。ルイジアナ州保健局の広報担当者もワイアードに当時、入院に至ったワクチンの有害な副作用は1件のみで、その人は胃腸障害とふらつきを経験したが退院し、回復したと語った。

シントロはこのようなインチキ動画を頻繁に投稿し、ワクチンが危険だと虚偽の主張をしている。そしてシントロのツイートのいくつかは偽りだとメディアに論破され、ツイッターで「要事実確認」の烙印を押されている。シントロの虚偽のツイートは反ワクチンプロパガンダが急増する中でのもので、特に「突然死した」という陰謀論はそのままのタイトルのドキュメンタリーで宣伝され、共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員がワクチンに関する調査を要求するきっかけとなった。

「ファイザーに感謝」のミーム

デュオリンゴが1月23日に投稿した「Thanks Pfizer」ツイートには約30万の「いいね」がつき、800万回以上閲覧された。この拡散したジョークに参加している他のツイートには、テイラー・スウィフトが自身のミュージックビデオ『Delicate』で踊る動画や、コメディアンのネイサン・フィールダーがシャキーラの「Hips Don't Lie」に合わせて踊る動画などがあり、いずれも「ファイザーに感謝」というキャプションがついている。

あるユーザーは風刺的なツイートに「私の友人ブレンダがワクチンを接種したら、映画鑑賞の最中にこんなことが起こり始めた。ファイザーに感謝」というキャプションをつけ、レジーナ・ホールが演じるキャラクターが『Scary Movie 3(最'狂'絶叫計画)』で発作を起こしている動画をくっつけた。ミームのテーマは必ずしも人間ではない。一部のツイッターユーザーは、自分のiPhoneの画面にあるアプリやショッピングカートハロウィーン用の人形が揺れたりけいれんしたりするのはワクチンのせいだというジョークを展開した。

実際のワクチンの副反応

CDCによると、最も一般的なワクチンの副反応は大人では接種部位の痛み、赤み、腫れ、そして疲労感、頭痛、筋肉痛、悪寒、熱、吐き気などだ。副反応は軽度で一時的なものである傾向にある 。追加接種の副反応には発熱、頭痛、疲労感、接種部位の痛みなどがある。ワクチンの有害な副作用はまれで、CDCはワクチンが安全で効果的であることを強調している。接種100万回あたり5例がアレルギー反応に、ジョンソン・エンド・ジョンソン/ヤンセンワクチンの100万回接種あたり4例が血小板減少をともなう血栓症につながったとされている。CDCのウェブサイトでは、どのコロナワクチンの副作用の中にも発作やけいれんは挙げられていない。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

ForbesBrandVoice

人気記事