スポーツ

2023.01.28

若者の「スポーツ観戦」離れが進む、ネット配信があっても低い結果

Getty Images

近年、若者のスポーツ観戦離れが囁かれている。背景には、テレビを見ないライフスタイルやスポーツ以外のコンテンツの増加などがあるとされるが、その実態に関する調査結果が発表された。

クロス・マーケティングは、全国に住む20~69歳の男女2500人を対象に「スポーツに関する調査(2022年)」を実施。スポーツ観戦の有無、 観戦したスポーツ、 観戦スタイルの現状などについて調べた。

まず、対象者に22種類のスポーツを提示し、試合会場やテレビ・ネット配信などによる最近1~2年間のスポーツ観戦の状況について尋ねたところ、「スポーツ観戦をした」と答えた人の割合は全体で56%。4割超が「スポーツ観戦をしていない」と回答した。

年代で見ると、スポーツ観戦をした割合が最も高かったのは60代の64%で、次いで50代(61%)、40代(58%)という結果に。年代が低くなるに連れて割合も下がる傾向が見られ、最も低かったのは20代の46%。20代では半数以上に最近1~2年間でスポーツ観戦の経験がなく、若者の間でスポーツ観戦離れが進んでいる現状が明らかになった。性別では、男性の観戦経験が全体で63%となり、女性を14pt上回った。


観戦したスポーツについては、全体で「FIFAワールドカップ」が29%で最多となったほか、「日本のプロ野球」(25%)と「高校野球」(20%)が続いた。「FIFAワールドカップ」については、20代では男性が24%、女性が16%となり、それぞれ全ての年代で割合が最も低く、20代男女の平均は20%だった。

観戦方法については、1位が「無料のテレビ放送・ネット配信」で9割を占めたほか、2位が「有料の放送・動画配信サービス」(16%)、3位が競技会場へ行って観る「リアル観戦」(13%)の順番となった。

「有料の放送・動画配信サービス」を選んだ割合は20代男性で最も高く26%で、30代男性(25%)、50代男性(23%)が続いた。「有料の放送・動画配信サービス」では、最多が「DAZN」(30%)となり、次いで「ABEMA」(22%)、「WOWOW/WOWOWオンデマンド」(18%)が上位を占めた。

今年も、ワールド・ベースボール・クラシックに世界陸上、ラグビーワールドカップ、サッカーアジアカップと、世界的なスポーツイベントが目白押しだ。戦いの舞台に立つ選手達を奮い立たせるのは、ファンの存在だろう。

現在、スポーツ界では若年層のファン獲得を課題の一つとして、取り組む動きがある。その結果、若い世代のファンが1人でも多く増え、選手たちにエールを送る存在になっていくことが期待される。

プレスリリース:スポーツ観戦を楽しむ人は56% 中高年で高い 2年以内に会場で観戦した人は、今後もリアル観戦意向が強い

文 = 大柏真佑実

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事