「この調査では、業界で働く従業員が、さまざまなかたちで個人的な偏見にさらされていることがわかった。なかでも注目すべきは、そうした偏見にさらされた従業員が、自分の意見が真剣に受け止められていないと感じていること、資格に見合った業務を与えられていないこと、あるいは、過度に批判的な評価を受けていたことがわかった点だ」
また、そうした従業員は、偏見によって昇進が見送られるかもしれないとも考えていた。
アルコール飲料業界の職場で包摂性を育むには
ティモニーは、包摂性を育むために経営者側が取り組めることについて、次のようにアドバイスしている。「私たちは業界として、業務配分と昇進要件を明確にしなくてはならない。そうした決断の透明性が向上すれば、公平感や、評価されている感覚が得られないという状況は変わっていくだろう」「さらに我々は、リバース・メンタリング(若手がメンターとなって年長者をサポートするアプローチ) などの取り組みを通じて、考え方や専門知識は、従業員のレベルを問わず、誰からでも伝えられるものであり、これにより、人材育成と、年齢に関係した潜在的偏見の緩和が進みやすくなることを知っている」
従業員に耳を傾けることも重要だ。当たり前のアドバイスに聞こえるが、リーダーは往々にして、人の話を聞くことは、受動的な行動であり、持っていてもいい程度のスキルにすぎないと考えており、自分が意識して持つべき姿勢だとは思っていない。
ティモニーは、こう語っている。
「企業が包摂性の推進に向けて踏み出せる第一歩は、自分のビジネスを実際に動かしている人々からフィードバックを受け取る手段を設けることだ。従業員たちに対して、自分が好きなこと、改善されることが望ましいと思っている領域、自分のキャリアがどこへ向かうことを目標としているのか、といったことを共有できるスペースを提供することは非常に重要だ」
(forbes.com 原文)