ビジネス

2023.01.22

アテンション専門家が説く、好奇心をくすぐる3つのポイント

ヒラリー・ビリングス(Photo by Denise Truscello/WireImage)

「人の関心を引くとは、つまり、好奇心をかき立てるということだ。ショートムービーであればなおさらだ」と話すのは、アテンション(関心・注意)の専門家ヒラリー・ビリングス(Hilary Billings)だ。

ビリングスは、好奇心をかき立てる方法を知っている。元ミス・ネバダで、ジャーナリスト、テレビ番組のホストでプロデューサーでもあるビリングスは、「USAトゥデイ」「E! News」「Extra! Entertainment Television」といった主流メディアにも登場している。

マーケティング・ストラテジストとしてはこれまで、数多くの一流起業家とともに、「人の好奇心を利用して、人の目に触れる機会を増やすこと」に取り組んできた。顧客は、ビリオネアから、ヴィクトリアズ・シークレットのモデル、「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラー作家までさまざまだ。

「好奇心とは、渇望のようなものだ」。ビリングスは先ごろの電話インタビューでそう語った。「人の心に強く訴えかけ、満足させてほしいと求める力だ。人間の脳は、生き残るために、未来を絶えず予測しようとしている。次に何が起こるのかわかれば、それに応じて計画を立てられることを、脳は理解しているのだ」

ビリングスによれば、好奇心は「情報の空白」から生まれる。好奇心はベルカーブ(釣鐘曲線)を描く。つまり、情報がゼロか、情報がすべて揃っているか、どちらかの場合に、好奇心は最も低くなる。従って、コンテンツクリエイターとしてアクセスを稼ぐためには、適切な類いの情報を、適切な量とタイミングで提示する方法を身に着けなくてはならない。

では、ビリングスが提案する、ユーザーの好奇心をかき立てるうえでカギとなる3つの方法を紹介しよう。

予想外の流れ。「『パターンの中断』とも言われている。つまり、脳の期待を裏切って、『いったいどういうこと?』と質問せざるを得なくなるコンテンツだ」とビリングスは説明する。

「ソーシャルメディアでフィードをスクロールするとき、ユーザーは知らず知らずのうちに期待をしている。SNSアプリを開いたときに提示されるコンテンツについては、ある程度の予測がついている。そのため、たとえば誰かがアイスクリームの塊をギターのサウンドホールに詰めている動画に出くわすと、つい目を留めてしまう。そうした行動を予測していなかったばかりか、一度も見たことがなかったからだ。そして、『いったい何をしているのか』という疑問への答えを見つけるために、脳はそのまま動画を見続けることを強要してくる」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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