政治

2023.01.11 13:00

多様性が高まり続ける米国議会、非白人議員は143人に

Getty Images

第118回を迎えた米国議会は、多様性が高まり続けている。Statista(スタティスタ)の分析によると白人でない上院議員、下院議員、代議員は現在143人で、2年前の同時期、第117期議会が開会した時の139人から増加した。進歩が遅く、議会が米国全体ほど多様でないことは確かだが、議会の多様性が高まるのは7回連続である。

上院ではより偏っており、共和党がオクラホマ州出身のチェロキー族出身の議員マークウェイン・マリンを獲得したことにより、今議会では非白人議員が12人となり、2年前の11人から増加した。とはいえ、トランプ推薦のミュリンは共和党の有色人種上院議員4人のうちの1人に過ぎず、民主党の8人に比べれば、その差は歴然としている。全部で113人の有色人種が民主党として議会議員になるのに対して、共和党では30人が議員だ。

有色人種議員の大多数は民主党だが、第118回連邦議会では共和党側でも進展があった。民主党の有色人種の議員数が2年前と比較して停滞する一方で、共和党は低いレベルではあるが、増加している。下院の非白人共和党議員は、2年前の21人から26人に増える見通しだ。

共和党は主にラテン系議員を獲得した。同議会のウェブサイトでは、スペイン語圏の出身者やその子孫を表す「ヒスパニック」という言葉が使われている。にもかかわらず、ラテンアメリカではなくスペインにルーツを持つ唯一の下院議員は、その集計から漏れている。また、すでに悪名高いジョージ・サントスとともに、下院はスペイン語圏ではなくポルトガル語圏のブラジルから移住した家族を持つラテン系議員を1人獲得しており、ラテン系という言葉を使用する理由がある。

すでに波紋を広げている共和党のラテン系新人議員たち


ニューヨーク州は、自身の経歴の大部分を偽っていたとして批判を浴びたサントスを含めて16名のラテン系共和党議員が誕生することになり、そのうち6名は1期目の議員だ。その中には、ニューヨーク4区をひっくり返した穏健派の元町議会議員アンソニー・デスポジトや、共和党とリバタリアンにクロスファイルされている元市長のロリ・チャベス・デレマーが含まれ、民主党のアンドレア・サリナスとともにラテン系として初めてオレゴン州議会議員になる予定だ。チャベス・デレマーは、選挙区変更で保守的な有権者が増えたにもかかわらず、進歩的な民主党のジェイミー・マクロード・スキナーがより穏健な現職を逆転した、激しい争いを制した。

また、フロリダ州出身のフリーダム・コーカスメンバーアンナ・ポーリーナ・ルナは、トランプに支持され、選挙戦では陰謀論を展開し、先週は他の極右議員とともに下院議長の共和党票を二分することに関与した。もう1人のトランプ支持の共和党新人は、テキサス州のモニカ・デ・ラ・クルーズで、以前よりラテン系有権者が少なくなった選挙区をひっくり返した。

1月6日以降にトランプ弾劾に票を投じ、再指名されなかったワシントン州のジェイミー・ヘレラ・ボイトラー前GOP下院議員の後任には、同じくラテン系の、民主党マリー・グルセンカンプ・ペレスが就任する予定だ。2021年の下院の共和党トランプ弾劾者10人のうち、2022年に再選されたのはわずか2人で、その中の1人はラテン系共和党員カリフォルニア州のデイビッド・バラダオだ。10人中4人が引退した。

初のメキシコ生まれの女性議員で、Qアノンに手を出したマイラ・フローレスは再選されなかったが、新人のアリゾナ州フアン・シスコマニ(R)、カリフォルニア州ロバート・ガルシア(D)、ミシガン州シュリー・タネダー(D)も帰化市民だ。民主党のマクスウェル・フロストは、Z世代議員として初めて選出されただけではなく、黒人とラテンアメリカ系プエルトリコ人とハイチ人のルーツを持つ、混血の下院議員5人のうちの1人だ。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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