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2022.12.29 09:45

男女の結婚願望は年齢で変化、20代は女性が高く、30代で逆転する

Getty Images

バブル期、日本では独身女性がクリスマスケーキに例えられ、結婚の適齢期が24歳までとされた時代もあった。その後、晩婚化が進み、2021年の平均初婚年齢は厚生労働省の調べ(※)では夫 31歳、妻は 29.5 歳まで上昇。時代の移り変わりを経て、結婚に対する考え方は変化を続けている。

提案型マッチングアプリを運営するリブセンスは、独身の20歳〜39歳までの男女444人を対象に「20代・30代独身男女の結婚観」に関する調査を実施。

結婚について、「いずれ結婚するつもり」「一生するつもりはない」、いずれの考え方に近いかを質問したところ、「いずれ結婚するつもり」が全体の66.7%を占め、「一生結婚するつもりはない」は33.3%となった。

年代別では、「いずれ結婚するつもり」が男女とも20代で約7割、30代で約6割となり、30代は20代と比べて結婚の意欲が低いことが分かった。特に女性ではその傾向が顕著で、20代(73.6%)では男性の割合(70.5%)を上回っていたが、30代では58.9%まで減少し、20代からマイナス14.7pt。30代男性(63.5%)を下回り、減少幅は男性(マイナス7pt)の約2倍となった。

また、結婚するか否かに関わらず一生付き合っていくパートナーが欲しいと考える人に、「現時点で考えるパートナーとの理想の関係性」を聞くと、約半数が「結婚(婚約+同棲) 」と回答。「婚約にも同棲にもこだわらない」は 2割弱、「同棲(婚約にこだわらない)」は1割弱に止まった。

年代別・性別で見ると、男性は「結婚」と答えた割合が20代で44.8%、30代では54.9%となり、30代が20代を10pt超上回った。一方の女性は、「結婚」の割合が20代で57.1%なのに対し、30代では38.6%と18.5pt減少。

30代になると男性は結婚を理想の関係性だと考える割合が上がる反面、女性は下がる傾向にあることが判明した。

リブセンスは主な背景として、「男性の場合は身近な友人の結婚を機に(自分の)結婚を意識することが多い。あるいは『家庭を持って一人前』という昔の価値観を持つ人が少なくない」と、男性が20代より30代に結婚を意識するようになる理由を挙げた。

一方の女性について同社は、「友人の話やSNSを通して、良い面ばかりではない結婚のリアルや家庭と仕事の両立の大変さを知り、結婚に対して気が引けてしまうのかもしれない」と、20代から30代にかけて結婚への熱が冷めていくケースが珍しくない点を指摘した。

さらに、「一生結婚するつもりはない」と回答した人に理由を聞いたところ、最多が「自由でいたい」で6割弱。次いで「経済的余裕がない」(40.5%)、「結婚に良いイメージがない」(34.5%)、「自信がない」(33.8%)、「今の生活に満足している」(24.3%)と続いた。

年代・性別で見ると、「自由でいたい」は、いずれの年代・性別でも半数を超える結果に。その割合は、20 代男性が最も高く(60.6%)、僅差で30代男性(59.5%)、30代女性(56.8%)が続いた。「経済的余裕がない」は30代女性が最多で45.5%、次に20代女性(44.8%)となり、男性(20代30.3%、30代40.5%)を上回った。

結婚する人も、しない人も、幸せに暮らせる━━そんな結婚の自由が尊重されつつある現代の日本。しかし経済的な余裕がない、という自らの意思とは異なる理由で結婚を諦めざるを得ない人々が目立つ世の中は、決して受容すべきものではない。

政府は2022年11月、新婚世帯に対して最大60万円を支給する結婚新生活支援事業費補助金の所得制限を、現在の世帯所得400万円未満から500万円未満に緩和する方向で調整していると発表した。今、求められているのはそうした一時的な対策に加えて、抜本的な改善策だ。

※参考:令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai21/dl/gaikyouR3.pdf

文 = 大柏真佑実

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