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テクノロジー

2022.12.14 14:00

NASA探査機オリオンが「月」を超える壮大なミッションを終え帰還

NASAの探査機オリオンは太平洋のカリフォルニア州サンディエゴ沖に着水した(NASA)

NASAの探査機オリオンが、月を周回しその彼方にも到達した25日間、210万キロメートルの壮大な旅を終えて地球に帰還した。

12月11日午前12時40分ET(日本時間12月12日午前1時40分)、太平洋に着水したオリオンをNASAのコメンテーターであるロブ・ナビアスは「米国の月とその先への『乗車券(ticket to ride)』」と表現した。

オリオンが地球の大気に時速3万7000キロメートル以上の速度で突入した時、ヒートシールドの温度は2700℃に達した。その後、空気抵抗によって宇宙船の速度が安全に降下できる時速約480キロメートルまで下がった後、パラシュートが開きカリフォルニア州サンディエゴ沖に着水した。

オリオンは、揚陸艦ポートランドから約8キロメートルの地点に着水した。


アルテミス1のフライト第5日に探査機オリオンが撮影したセルフィー(NASA)

「探査機オリオンの着水は、アポロ17号の月面着陸から50年後の同じ日に成し遂げられたもので、アルテミス1ミッションにとって最高の結果となりました」とNASAのビル・ネルソン長官は語った。

その壮大な旅の間、オリオンとその動力を供給した欧州サービス・モジュール(ESM、欧州宇宙機関が製造)は、月の楕円軌道に入り、月面から100キロメートル以内、約6万4000キロメートルまで到達した。

ここは、これまで有人用として作られたどの宇宙船が到達した距離よりも遠い。


オリオンのソーラー・ウィングに取りつけられた検査用のカメラで撮影された地球とのセルフィー(NASA)

無人のアルテミス1ミッションは、探査機オリオン初のテストフライトだった。オリオンのカプセルは、1960年代と1970年代に月へ人間を運んだアポロカプセルをどこか彷彿とさせる。

またこのミッションは、NASAの世界で最も強力なロケットであるスペース・ローンチ・システム(SLS)にとって最初のフライトともなった。

「世界で最も強力なロケットの打ち上げから、月を周回して地球に戻る特別な旅まで、このテスト飛行は、月探査を行うアルテミス世代にとって大きな前進です」とネルソンは語った。


オリオンはNASAのスペース・ローンチ・システムによって打ち上げられた(NASA)

オリオンは2022年11月15日、NASAのスペース・ローンチ・システム(SLS)の上部で打ち上げられた。SLSは、1973年にNASAのサターンV型「月ロケット」が最後に使われて以来、最も大きなロケットとし建造された。

全長98メートルのSLSも「月ロケット」であり、約4000トンの推力でオリオン・カプセルを軌道に送り込んだ。


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翻訳=高橋信夫

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