例えば、ネットフリックスのドラマ『イカゲーム』が大ヒットしたことを受け、韓国を訪れる人は急増。同国の主要都市ではイカゲームにちなんだ旅行体験が提供されており、ソウルではこの夏、作品に登場したヨンヒ人形の巨大なレプリカも設置された。
ネットフリックスの『ザ・クラウン』に登場する歴史的な場所や、フールーの『THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜』の舞台となったロシア・サンクトペテルブルクなど、お気に入りのドラマに登場する場所を旅する人は増えている。しかもその効果は、ドラマの終了後も長く続くようだ。
『ブレイキング・バッド』は2013年に終了したが、舞台となった米ニューメキシコ州アルバカーキでは今でも、作中に登場するRV車に乗ってロケ地をまわるツアーが開催され、地元の店では同作の主人公が製造する覚醒剤「クリスタル・メス」を模した菓子も売られている。
また、他国との間の観光の機会を増やすことで、人気番組の成功を利用しようとする動きもある。南アフリカでは、アカデミー賞を受賞したネットフリックスのドキュメンタリー『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』をきっかけに訪問客が増加した。そこで韓国のパク・チュルジュ駐南ア大使は『イカゲーム』と『オクトパスの神秘』の成功にあやかり、両国間の観光を強化することを提案した。
パクは「もし南アフリカと韓国が、新型コロナウイルス流行前の2019年にそれぞれの国が海外に送り出していた旅行客の数の1%でも誘致できれば、南アフリカは年間約28万人の韓国人観光客、韓国は約6万人の南アフリカ人観光客を得られる」と述べている。
料理番組も旅のきっかけになるようだ。米CNNテレビの『アンソニー世界を駆ける』では、料理人のアンソニー・ボーデインが12シーズンにわたり各国を旅して現地の食文化を紹介したが、あるネットユーザーは番組のファン向けに、ボーデインが訪れた全ての場所をまとめた地図を作成している。
(forbes.com 原文)