宝くじ3000億円大当たり、税引き後に残るのはいくら?

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カリフォルニア州アルタデナの「ジョーズサービスセンター」で購入された宝くじ「パワーボール」のチケットで、20億4000万ドル(約2980億円)のジャックポット(大当たり)が出た。パワーボールは1〜69の異なる数字5つと1〜26の数字1つを選ぶ仕組みで、当せんナンバーは「10、33、41、47、56」と「10」だった。

これほどの高額当せんは人生を変えるものになるに違いないが、そのうちどれくらいが税金として搾り取られるのか気になる人も少なくないだろう。それは賞金の受け取り方や当せん者が住んでいる州によっても大きく変わってくる。受け取り方には現金での一括払いと数十年にわたる分割払いがある。

一括払いを選ぶと、受け取れる金額は当せん額のおよそ半分に減る。今回の場合なら9億9760万ドル(約1460億円)となる。もちろん、これは税引き前の金額だ。20億4000万ドルをまるまる手に入れるには、30年の分割払いを選ぶ必要がある。この場合、毎年の受取額は約6800万ドル(約99億円)となる。これも税引き前の金額だ。

高額当せん者の大半は現金一括払いを選ぶようだが、その場合、税金はどのくらい取られるのだろうか。

当せん者はまず、得た金額の24%を連邦税として源泉徴収され、内国歳入庁(IRS)に納めることになる。現金一括払いの9億9760万ドルの場合、源泉徴収額は2億3940万ドル(約350億円)となり、手元には差し引き7億5820万ドル(約1020億円)が残ることになる。だが、IRSの仕事はこれで終わりではない。

24%はあくまで源泉徴収分にすぎず、所得額に適用される税率がそれより高い場合、残り分を納付する義務がある。当せん者は連邦所得税の最高税率37%が適用される高額所得者になるため、来年4月15日までに残りの13%分、額にして1億2970万ドル(約190億円)をIRSに納付しなくてはならない。これも相当な金額だ。

このように、高額当せん者は前もって計画を立てておかないと、翌年に税金の支払いで困ることになりかねない。今回の当せん者も来年4月の支払いに備えて、賞金の一部を銀行に預けておいたほうがよいだろう。あらためて確認しておくと、この当せん者は来年4月15日までに合計で3億6910万ドル(約540億円)の連邦税を納付しなくてはならない。

連邦税を納めたあと、この当せん者の手元に残るのは6億2850万ドル(約919億円)となる。住んでいる州が宝くじに課税している場合は、さらに州税も引かれることになる。米国のほとんどの州は州所得税を課しており、なかでもカリフォルニア州では高く、最高税率は13.3%にのぼる。

ただ、ありがたいことに、カリフォルニア州ではパワーボールの賞金については非課税となっている。仮にカリフォルニア州が宝くじの賞金も課税対象としていれば、今回の当せん者はさらに1億3270万ドル(約194億円)を税金として持っていかれていた計算になる。

実際、当せん者が別の州の住民だった場合、税金の請求額はもっと膨らんでいただろう。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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