フロリダ大学の「米国選挙プロジェクト」によると、ジョージア州では4日時点で、郵送や直接投票によって期日前投票を済ませた人の数が、2018年の中間選挙での期日前投票者数を上回った。テキサス州など、人口の多いほかの州でも4年前の数字に迫る勢いとなっている。
全米では4日午前時点で、期日前投票数は3550万票に達している。2018年は投票日当日時点で3900万票だった。
投票総数に占める期日前投票の比率は、米国選挙プロジェクトがデータをとり始めた2008年には24%だったが、2016年の大統領選ではすでに34%まで上がっていた。投票率が低迷した2018年の中間選挙でも33%を記録した。
同プロジェクトの創設者であるフロリダ大学のマイケル・マクドナルド教授によると、米国で期日前投票をめぐる対立はこの仕組みができた当初から存在した。とはいえ、郵便投票などの期日前投票を激しく攻撃したドナルド・トランプ前大統領のもので、反対派の感情が硬化したのは間違いない。大統領選で敗れたトランプは、郵便投票などによって票が操作されたという陰謀論まで主張した。
そうした主張は共和党のかなりの部分がいまも支持していて、数え切れないほど多くの調査や訴訟で大規模な不正の証拠が見つからなかったにもかかわらず、今回の中間選挙のキャンペーンでも大々的に繰り広げられている。
期日前投票は2016年の大統領選以来、民主党に関連づけられる傾向にある。民主党候補のヒラリー・クリントンは最初、郵便投票をした人が多く含まれる民主党支持層の後押しでリードしていたが、トランプが選挙当日に直接投票した人たちの票でそれを覆して当選したという経緯があるからだ。
トランプが郵便投票などを強く批判し、コロナ禍自体も党派的な問題になるなか、2020年の大統領選では、民主党支持者の期日前投票率が共和党支持者の場合よりも大幅に高くなった。
両党の2020年以前からの支持基盤も考え合わせると、民主党支持者では以前から郵便投票の利用が多かったとは言い切れないようだ。郵便投票の利用率は高齢層より若年層のほうがやや高いのは確かだが、それが民主党支持者の期日前投票率を高めているという決定的な証拠はない。
(forbes.com 原文)