日本では、企業創出や起業家支援を目的としたプラットフォームが各大学で生まれ始めている。
そうしたなか、今求められるのはバラバラになっているプラットフォームを統合していくことだ。大学発の起業家や大学の産学連携部門、VCやアクセラレーター、CVCや事業会社などを結集したひとつなぎのエコシステムを構築していくことが必要になってきている。
10月21日、Forbes JAPANとGTIE(東京大学・東京工業大学・早稲田大学を主幹機関とした大学発スタートアップ育成のプラットフォーム)が開催した、「ACADEMIA ENTREPRENEUR SUMMIT」では、そんな想いを持った有識者が登壇し、「大学発スタートアップがグローバルで戦うために必要なことは何か」について議論を交わした。
開会挨拶をしたForbes JAPAN ファウンダーの高野真は次のように語った。
「日本は元々、新しい技術を世界に輩出していく 『技術大国』でした。しかし技術力や研究力を活かしたスタートアップはまだ多くは出てきていません。
何が問題かというと、アイデアはあるがビジネス化する人材がいないということです。我々(Forbes JAPAN)が持つネットワークを使ってビジネス化できるアイデアや人材をマッチングしていくのが良いのでないかと考えているなかで、GTIEと出会いました。
一緒に研究型スタートアップを世界へで輩出していく上で、時期を得たと思い、このような取り組みを始めました」
Forbes JAPAN ファウンダーの高野真
イベントでは、Sozo Venturesのフィル・ウィックハム氏や東京工業大学の辻本将晴教授が登壇し、大学発スタートアップ育成について、米国と日本でどのような違いがあるのかなどを議論した。
会の後半では山際大志郎スタートアップ担当大臣が登壇。聴衆にこう呼びかけた。
「ここのところ若い方々と対話をしていますが、社会課題を解決しようという熱い思いを持った才能ある方がたくさんいます。そしてをGTIEはじめとする、若い才能をサポートする人たちが揃っている。また、当然ビジネスには資金が必要になりますが、これもあります」
山際大志郎スタートアップ担当大臣
「しかし、これらが有機的に結びつく仕組みが日本ではまだまだ足りないんです。仕組みがあれば、自動的に持続的にスタートアップがどんどん生まれてくる。そのための環境を私たちが作っていきますので、皆さんそれぞれの役割を認識しながら、のびのびと活動していただければと思います」
またGTIEが教授や学生を資金面からも支援するGAP FUNDのキックオフイベントも開かれた。