経済・社会

2022.10.21 16:30

自転車専用道整備を世界の都市で推進する2つのプロジェクト

Getty Images


だが、ワーゲンシュッツはこうも指摘する。「こうしたプロジェクトは、企画当初から圧倒的な市民の支持を得てきたが、政治的要因や予算交渉によってネットワーク構築が行き詰まると、地方自治体はお手上げ状態になってしまう」
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だがワーゲンシュッツによれば、現行のプログラム「ザ・ファイナル・マイル」での成功体験によって、シティ・スレッドには、自治体が行き詰まりを抜け出し、計画の実現に向けて機敏に動けるよう手助けするためのツールや資金援助のインセンティブがあるという。ザ・ファイナル・マイルでは、北米の5都市を支援し、のべ335マイル(約540km)の自転車専用レーンを、わずか2年で構築することができた。

「地方自治体には、すでにモビリティ・プロジェクトに投資を行うための計画や専門知識があり、市民の支持も得ている。必要なのは、プロジェクトの実施を加速させるためのアクションプランだ。

この技術的支援プログラムは、効果が実証されている戦略をもとにしており、自治体のトップが、紙の上でのプロジェクトを実際の道路建設に結びつけられるよう、適切なツールやコーチング、支援を提供することができる」と、ワーゲンシュッツは強調した。
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ワーゲンシュッツと共にシティ・スレッドを率いるスタッダードも、「市民は、自分が住む街に、安全かつ便利な方法でアクセスしたいと考えている」と付け加えた。

「市民は、自治体のトップに対し、現実的に選択可能な移動手段のオプションからなる、よりスムーズに接続された交通ネットワークを提供するよう求めている。こうしたネットワークを現実のものにすることは、あらゆる関係者の協力がなければ非常に難しい。我々には、自治体が計画を成功させる可能性を最高レベルにまで引き上げる、すでに効果が実証された戦略がある」と、スタッダードは述べた。

今回は、プログラムに参加する10のコミュニティに対する資金提供額のうち70%を、SRAMとウェンド・コレクティブが負担することになっている。

Forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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