全世界から選んだ10都市で、さらに多くの自転車専用道を整備するという計画だ。
ニューヨークに本部を置くNGO「ブルームバーグ・イニシアチブ・フォー・サイクリング・インフラストラクチャー(BICI)」が、世界の計10都市に最大で100万ドルを拠出し、自転車インフラの変革を図る。募集期間は、2022年11月10日から2023年2月3日となっている。
選定された都市は、GDCIから、資金に加えて技術的な支援も受けることができる。GDCIには、同様のイニシアチブで30以上にのぼる都市の自治体を支援してきた実績がある。
ブルームバーグ・フィランソロピーズを創設したブルームバーグは、ニューヨーク市長在任時には、同市における自転車専用道路の新規建設を主導した。一方のGDCIは、ブルームバーグ市長のもとで2007年から2013年までニューヨーク市運輸局の局長を務めていたジャネット・サディク=カーンが創設した組織だ。
サディク=カーンは、のべ400マイル(約644km)にわたるニューヨーク市の自転車専用道の新設や改修に関わってきた。
これとは別の、米国都市のみを対象としたプログラムも、非営利コンサルティング組織のシティ・スレッド(City Thread)によって企画されている。こちらは、最大で3万5000ドルをマッチファンディング方式(他の支援を前提に、援助額を提示する資金提供方式)で提供し、モビリティや安全、地域社会の相互接続を改善するプロジェクトの加速に役立てるものだ。
こちらの「モビリティ加速作戦技術支援(Accelerated Mobility Playbook Technical Assistance)」プログラムでは、10月31日まで応募を受け付けている。
このプログラムは、自転車部品メーカーのSRAMと、NPO「ウェンド・コレクティブ(Wend Collective)」の支援を受けている。後者を立ち上げたのは、ウォルマート創業者の三男である資産家ジェームズ・ウォルトンだ。
シティ・スレッドは、モビリティの専門家3人によって率いられている。ゾーイ・キルコス(Zoe Kircos)、サラ・スタッダード(Sara Studdard)、カイル・ワーゲンシュッツ(Kyle Wagenschutz)だ。
ワーゲンシュッツは、「自転車専用道やトレイル(自然の中にある、人が歩くための道)、公園、歩道、公開緑地を結ぶネットワークの構築は、あらゆる都市で取り組むべきプロジェクトのリストに入っている」と述べる。