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2022.10.09 17:30

魚の「オメガ3脂肪酸」が脳の健康に役立つ、米大学の研究

Getty Images

サケやイワシなどのオメガ3脂肪酸を多く含む食品は、中高年の脳の健康増進に役立つ可能性があることが、新しい研究で示された。この脂肪酸は、体内の炎症を抑える効果があり心臓病の予防にも役立つとされ、さらなるメリットがあることが明らかになった。

10月5日にNeurologyで発表された論文で、オメガ3脂肪酸を多く含む食品の摂取は、学習と記憶に重要な役割を果たす脳の海馬の体積を大きくすることが示された。平均年齢46歳の2183人の参加者を対象にした研究で、赤血球中のオメガ3脂肪酸濃度が高い参加者は、抽象的思考力のテストで、濃度が低い人よりも良い結果を示したという。

オメガ3脂肪酸は、アルツハイマー病の患者や心血管疾患の危険因子であるAPOE4遺伝子を持つ人々にもメリットをもたらすようだ。この脂肪酸の濃度が高いAPOE4遺伝子の保有者には、心臓の小動脈の異常である小血管疾患の患者が少ないという。

この研究結果は、米国心臓協会が推奨する週あたり2回の魚の摂取のような少量のオメガ3脂肪酸の摂取でも、「脳機能を維持するのに十分かもしれない」ことを示唆していると、論文の著者のテキサス大学健康科学センターのClaudia Satizabalは声明で述べた。

オメガ3脂肪酸が、どのように脳の健康を促進するのか、正確なところは分かっていない。いくつかの研究でこれらの脂肪酸は抗炎症作用を持ち、脳のニューロン間の神経伝達物質の機能を向上させる可能性があるとされている。Satizabalは、「科学者はまだすべてを理解しているわけではない」としながらも、「たとえ少量であってもオメガ3脂肪酸の摂取量を増やすことが、脳を守ることにつながる」と述べている。

別の研究では、オメガ3脂肪酸を多く摂取することで、うつ病を予防できる可能性が示唆されている。体の炎症を抑えることが気分に影響を与える可能性もあるが、このメカニズムが正確にどのように作用するかはまだ分かっていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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