ロイターは9月26日、ロシア下院金融委員会のアナトリー・アクサコフが、来年早々にデジタルルーブルを導入し、中国との二国間決済に利用する計画だと議会紙のインタビューで述べたと報じた。「もしこれを開始すれば、他の国も暗号通貨の利用を開始し、世界の金融システムに対するアメリカの支配は事実上終わるだろう」と、アクサコフは述べている。
ロシアのアレクセイ・モイセーエフ財務次官は先月初め、ロシアの中央銀行が国境を越えた決済のために暗号通貨を使用する計画に同意したと述べていた。
この動きは、これまでのロシアの姿勢に逆行するものだ。ロシアは今年1月に暗号通貨の取引や発行、マイニングなどを全面的に禁止し、プーチン大統領は、7月に国内の商品やサービスの支払い手段として暗号通貨を使用することを禁止する法案に署名した。
欧州連合は、国際金融における地位を維持しようとするロシアの試みを挫くため、ロシアの国民がEUの暗号通貨ウォレットに資産を保有することを認めない方針だ。しかし、この試みは空振りに終わるかもしれない。
「Metamaskのような自己管理型のウォレットであれば、EUの規制は意味がない。ユーザーは自分の居場所を秘密にできるからだ」と、コロンビアビジネススクールでブロックチェーンと暗号通貨についての講義を担当する非常勤教授のオミド・マレカンは述べている。
ロシアの国営電力会社のInter RAOは、旧ソビエト共和国の企業と協力し、電力不足にあえぐ隣国カザフスタンのマイニング企業への電力供給を計画中とも報じられている。
一方、親ロシア派のグループはメッセージングアプリTelegramを通じて戦費の調達を暗号通貨で行っていると、TRM LabsのChris Janczewskiが10月2日のCNBCの取材で述べている。彼は、ロシアが2月にウクライナに侵攻して以来、40万ドル(約5800万円)が調達され、その額は増加する可能性が高いと述べた。
(forbes.com 原文)