地中海に浮かぶ伊サルデーニャ島は、移住者に対して1人当たり1万5000ユーロ(約210万円)の助成金を支払う予定だ。これほど美しい場所が移住を促すためにお金を支払う必要があるとは信じがたいが、その狙いは、人口減少対策として新たな住民を誘致することにある。サルデーニャ州政府は、移住者3000人分の助成金として4500万ユーロ(約64億円)の予算を確保した。
イタリアでは他の地域も同様の助成金制度を設けている。例えばカラブリア州では、少数の移住者を対象に、1人当たり2万8000ユーロ(約400万円)を支給。アブルッツォ州のサント・ステーファノ・ディ・セッサーニオ村は、移住して地元で働く人に対して最大4万85000ユーロ(約700万円)の助成金を出した。
米国にも似たような制度があり、地域、都市、州が移住者に対して助成金を支給している。
ただ、こうした制度には条件がある。サルデーニャ州で助成金受給の資格を得るには、人口3000人未満の町や村へ移住する必要がある。また支給された助成金の一部は、住宅のリフォームに使わなければならない。現地に定住することが求められ、別荘としての利用はできない。1年半以内にサルデーニャ州を永住地として登録する必要がある。
しかし、得るものは大きい。地中海で2番目に大きな島であるサルデーニャ島は、透き通った水と青銅器時代の遺跡、地元産のロブスターを使った料理で有名だ。1900km以上の海岸線には砂浜のビーチが点在し、内陸部の山地にはハイキングコースがいくつもある。
助成金制度の対象となる魅力的な村には、ガルテッリ(ハイキングで人気)やカラゼッタ(美しい白砂のビーチが有名)などがある。
(forbes.com 原文)