認知症が死亡リスクを高める理由
慢性肺疾患、がん、心疾患といった疾患はこれまで、臓器不全を引き起こし、免疫システムを弱めることから、感染による死亡リスクを高めるとされてきた。
一方、米疾病対策センター(CDC)は、神経疾患も重症化のリスクを高める可能性があると注意を促している。過去のその他の研究でも、認知症などを患っている人は感染のリスクが高く、ワクチン接種後のブレークスルー感染の可能性も高いことが指摘されている。
これは、認知症に伴う記憶障害などにより、マスクの着用や手洗いといった感染対策を講じることが困難になることが一因とされる。また、脳血管性認知症の人の場合は血管が損傷を受けていることにより、細菌やウイルスが血液から脳に移動しやすくなることが考えられる。
一方、高齢者が新型コロナウイルスに感染した場合、アルツハイマー病を発症する可能性が高まることを指摘する研究結果もある。65歳以上の約625万人を対象に実施した調査によると、感染した人はその後およそ1年以内にアルツハイマー病と診断されるリスクが高まっていた。
これは、ウイルスが引き起こす炎症が、すでに変化が起きて始めていた脳の状態を、悪化させるためとみられている。
(forbes.com 原文)