100以上のモバイルアプリの広告支出を調査した広告分析会社Appsumerのレポートによると、アップルのアップストアに、広告出稿を行うモバイルアプリの割合は、2021年第2四半期から今年同期にかけて3.7%増加し、94.8%に到達した。これに対し、フェイスブックに出稿するアプリの割合は同時期に3%減少して82.8%に縮小しており、グーグルのシェアも同時期に1.7%減少して94.8%に縮小した。
Appsumerによると、アプリ開発者がオンライン広告に費やす金額のシェアは、1位のグーグルが34%、2位のフェイスブックが28%、3位のアップルが15%だった。しかし、グーグルとフェイスブックのシェアが過去1年間でそれぞれ1%と4%減少したのに対し、アップルのシェアは5%上昇していた。
Appsumerのレポートは、アップルが昨年導入した施策「アプリのトラッキングの透明性(ATT)」の影響を調査した最初のものの一つだ。アップルはATTの導入により、ユーザーが自身の行動をアプリが追跡することに同意するかどうかを選択するよう求めている。
アップルは昨年、40億ドル(約5730億円)の広告収入を得ていたが、Axiosの分析によるとグーグルの親会社のアルファベットの広告収入は2095億ドルで、フェイスブックの親会社のMetaは1149億ドルだった。一方で、アルファベットの収益の約80%はグーグルの広告事業によるもので、Metaの収益の約99%も広告によるものだった。
近年、プライバシーの重視をアピールするアップルには、他の野心があるのかもしれない。ブルームバーグは先月、アップルが端末に直接配信する広告の数を増やそうとしていると報じていた。
フェイスブックの親会社のMetaは今年2月、アップルのプライバシーポリシーの変更により、2022年の広告収入が100億ドル減少する見通しだと発表した。Metaの株価は2021年4月以降に50%近く下落している。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、アップルとMetaの2社が、アップルがMetaの収益の一部を受け取ることについて、数年にわたり秘密裏に話し合いを行っていたと報じた。仮に、両社が合意に達していたとしたら、この2社の対立は避けられたはずだとWSJは述べていた。
(forbes.com 原文)