「1830年代の奴隷小屋が、エアビーアンドビーにアップされている」と、動画の投稿主のニューオーリンズの黒人弁護士のウィントン・イェーツ(Wynton Yates)は語り、物件のスクリーンショットと共に投稿した。「人間が奴隷として飼われていた場所を観光客に貸し出すなんて、誰が考えてもいいわけがない」と彼は怒りをあらわにした。
イエーツはビデオの中で、主に白人の宿泊客のものと思われるレビューについても批判した。ある人は、「忘れられない経験になった。夕陽を見ることを強くお勧めします」と書き、別の人は「歴史的でありながらエレガントな体験で、南部のもてなしが受けられて、ベッドも非常に快適だった」と述べていた。
エアビーアンドビーは、この動画が投稿された直後に問題の物件を削除し、米国内の他の類似した物件も削除したという。「かつて奴隷が住んでいた物件はもう、エアビーアンドビーには掲載されていない。この問題に対処するためにもっと早く行動しなかったことを謝罪する」と、同社はメディア向けの声明の中で述べている。
この物件を1カ月足らず前に購入したオーナーのBrad Hauserという人物も、同様な声明を公開している。彼は、以前のオーナーがこの建物を、「かつて奴隷たちが眠っていた場所」として売り出すという決定に強く反対していたというが、なぜその彼が、このような告知をエアビーアンドビーで行っていたのかは分からない。
パンサー・バーン・コテージ(Panther Burn Cottage)と呼ばれる物件は、エアコン、インターネット、駐車場などの設備を備え、「子供とペットに優しい」というふれこみで、1泊150ドルで掲載されていた。
このコテージは、19世紀の半ばに綿花農園で働く奴隷たちのために建てられたものだった。USHistory.orgによると、奴隷たちはろくな食べ物を与えられず、週に6日、日の出から日没まで働かされていたという。
「この国の奴隷制度の歴史は常に否定されてきたし、それどころか今では“豪華なバケーションスポット”として宣伝されることで、さらに馬鹿にされている」とイエーツはビデオの中で語っている。