胎児を「扶養家族」として申告 米ジョージア州が認める

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所得税の申告では通常、子どもが扶養家族となるのは実際に生まれた後になるが、米ジョージア州ではこのたび、生まれる前の胎児を納税者の扶養家族として申告できるようになった。

ジョージア州税務当局の発表によると、この規定変更は連邦最高裁が今年6月、人工妊娠中絶を憲法上の権利として認めていた過去の判決を破棄したことなどを受けたもの。7月20日をもって、心拍が確認できる胎児(早ければ妊娠6週ごろ)が個人所得税の扶養控除対象として認められるようになった。

控除額は胎児1人あたり3000ドル(約40万円)。胎児の存在を証明する具体的な手段や、子どもが生まれなかった場合の対応は不明だが、納税者は税務署から要求された場合に「関係する医療記録または証明書類」を提出できるようにしておかねばならないとされる。

扶養家族は、衣食住や生活必需品などの経済的支援を別の人から受けている人のことで、子どもや親類縁者がこれに相当する。州ごとの規則とは別に、連邦税を管轄する米内国歳入庁(IRS)は扶養家族の要件を詳細に規定しているが、過去には、どのような人が扶養家族として認められるのかをめぐる争いが驚くほど多く起きてきた。

例えば、米国籍を持たない子どもの場合。租税裁判所は過去の裁判で、たとえこれまでの納税状況が良好で、正当な支出があったとしても、米国民ではない子どもに対する扶養控除や養育費の控除は申告できないとの判断を下している。

編集=遠藤宗生

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