インフレ率や金利の上昇、景気後退の懸念が続く中で、ハイテク株は大きな打撃を受けたが、ウォール街のアナリストの大半は、今週の決算を前に、アップル、アルファベット、メタ、マイクロソフト、アマゾンについて「買い」の評価をつけている。
7月25日にドイツ銀行はアップルの堅調な業績を予想し、バンク・オブ・アメリカはフェイスブックの親会社であるメタの広告収入の落ち込みが予想より小さいと予想、オッペンハイマーはアマゾンのAWSクラウドサービス事業の堅調な成長を予想した。
専門家は、ハイテクセクターが厳しい経済環境の中でも雇用を維持しており、年初から大きく売り込まれた後のバリュエーションは、以前よりも魅力的に見えると指摘してる。
ネットフリックスとテスラは先週、「懸念されていたよりも良い」決算で株価を上昇させたが、ウェブドッシュのアナリストのダン・アイブスは、スナップに関して、「デジタル広告の減速やアップルのiOSのプライバシーに関する逆風、TikTokとの競争のさらなる過熱ぶりを示す決算内容」で株価を下落させたと述べた。
アリーのストラテジストのリンゼイ・ベルは、先週のハイテクセクターには「良いニュースも悪いニュースも」あったが、「心強い兆候もある」と指摘し、投資家は今、いくつかの大企業の株をより魅力的な価格で購入できると述べている。
今週決算を発表する大手ハイテク企業5社(アップル、アルファベット、メタ、マイクロソフト、アマゾン)を担当する250人以上のアナリストのうち、これらの株を「売り」と評価している専門家は5人以下であり、このことはウォール街のハイテク株に対する強気な姿勢を示している。
アルファベットとマイクロソフトは26日に決算を発表する。27日にはメタ、28日にはアップルとアマゾンが決算発表を行う。
メタに関しては不安も
投資調査会社ニュー・コンストラクツのデビッド・トレーナーCEOは、「最も強いタイプの銘柄は、キャッシュフローが強く、バリュエーションが過小評価されている株だ」と指摘する。彼は特に、グーグルの親会社のアルファベットを気に入っており、「今後もアウトパフォームを続けるはずだ」と述べている。
しかし、トレーナーはフェイスブックの親会社のメタについては「それほど自信がない」とし、特にTikTokとの競争が激化する中で同社の「利益を維持する能力」に疑問を呈している。また、アップルについては、株価はまだやや割高だが、強気の見方を崩していないと語った。
今年に入り、大型ハイテク株はいずれも大きく値を下げたが、ここ数カ月でやや回復している。最も強い打撃を受けたメタは、時価総額が約半分になっている。アマゾンとアルファベットはともに約25%の下落、マイクロソフトは20%強、アップルは15%下落している。