UACのユーリ・スリザール長官はメディアに対し、Su-34MはベーシックなSu-34の2倍の戦闘能力を持つと語った。スホーイがSu-57ステルス戦闘機の開発を完了するときがくるまで、Su-34Mがロシア軍で最も高度な機体であることは間違いない。
これだけの高度な技術でも、ロシア軍が誤ってSu-34Mを撃墜することを防げなかった。RF-95890は、ロシアがウクライナ侵攻を拡大した2月23日以降、軍が失った11機目のSu-34だ。これはスホーイがこれまでに製造したすべてのSu-34シリーズのほぼ10分の1にあたる。
Su-34はロシア空軍を変えるために生まれ、Su-34Mはそれ以上に変えるはずだった。この双発、複座の超音速戦闘爆撃機は、Su-27制空戦闘機の高度進化バージョンであり、ハイテク、高精度爆撃の新時代をもたらすことを期待されていた。
実際のところ、大部分のSu-34は古いロシア戦闘機が搭載していた昔ながらの無誘導「ダム」爆弾を搭載してウクライナへと飛び立った。
軍全体における精密誘導兵器の不足と、飛行機を事実上空飛ぶ大砲とみなしている軍の体質によって、ロシア戦闘機は、多少なりとも正確に爆弾を落とすチャンスをうかがうために、ウクライナの強力な防空システムの中を低空飛行することを強いられている。
ロシア自身の防空システムも、明らかな脅威を与えている。最新鋭の戦闘機は「敵味方識別装置(IFF)」と呼ばれる特殊な無線ビーコンを備えており、味方防空軍の存在を知らせる。
しかしIFFは必ずしも正しく機能しない。日曜日のアルチェフスクで何の間違えが起きたのかははっきりわかっていない。問題は機械的なものかもしれないし、IFFシステムの誤動作かもしれない。あるいは人間の操作ミスだったかもしれない。
いずれにせよ、何かあるいは誰かが失敗し、また1機、最新で最高のSu-34が墜落した。