しかしキャリアをめぐる失望感は、悪いことばかりでもない。以下に、なにもかもが思い通りにいかないように感じてしまうことに対処する3つの方法を紹介する。
1. 事前に軽減策を打つ
失望を感じるのは防ぎようがないが、その影響を和らげることはできる。現実的な期待を持ち、完璧さよりも進歩の方が大事だと肝に銘じるとよい。
非常に高い目標を設定するのは構わないが、その場合は目標をいくつかの達成可能な項目に分割しよう。例えば、大きな年間目標を四半期別、月別、週別の目標に落とし込む。
妥協を全く許さない態度で臨んでしまうと、必ず失望につながる。偉大なアスリートやリーダー、思想家であっても、目標を完璧に達成することなどできない。高く設定した目標をたとえ達成できなかったとしても、素晴らしい進歩が得られたことを祝うべきだ。
2. 視点を変える
期待していた昇進ができなかったり、クライアントを失ったりするのは残念な出来事だ。しかしそうした結果になったとしても、自分には価値がないとか、世界が敵に回っているわけではない。前進できないのは時に、自分が間違った方向へ進もうとしていることが原因かもしれない。
しばらくやってみて進歩が見られない場合、苦渋の決断にはなるが、新たな道を目指すべきかもしれない。回り道が最善の場合もある。そうすることで、自分の戦略を再評価するよい機会になる。これまで一匹狼でやってきたなら、パートナーが必要かもしれない。新商品の受けが芳しくなかったら、全く違う製品に取り組むべきかもしれない。
もしかしたら、これは独立したり、キャリアを転換したりする機会かもしれない。これを拒絶として捉えるのではなく、視点を変えて、進む方向を見直してみよう。
3. 「失敗」を成長の糧にする
失敗と成功は相反するものではなく、互いに関係している。ピンと来ないかもしれないが、人はすべてが思い通りに進んでいる時よりも、「失敗」とされるものを経験した時の方がずっと大きく成長できる。重要なのは、自分の適応力であり、失敗から学ばなければいけないことを理解する力だ。
居心地がいい状態では成長できない。個人や職業人としての自己開発のためには、失敗を恐れずにリスクを冒す必要がある。成長思考を身に付けることで、どんなやり取りやプロジェクト、失敗も改善の機会だと捉えられるようになる。失敗をネガティブに捉えず、学習の機会や成功の糧だと見れば、失敗は必要なのだという、よりポジティブな思考を持てるだろう。