同社のブログによると、今回の調達に参加した投資家にはDST Global PartnersとBreyer Capitalが含まれている。バイナンスラボは、インキュベーション、アーリーステージ、レイトステージグロースという3つの異なるステージを対象に投資を行う予定という。
「今回のファンドの目標は、DeFi、NFT、ゲーム、メタバース、ソーシャルなどにまたがるWeb3を構築し、リードする可能性を持つプロジェクトや創業者を発見し、支援することだ」と、バイナンスCEOのジャオ・チャンポン(通称CZ)は述べている。
バイナンスラボの最新の動きは、投資家が市場の急落に直面する中で、暗号通貨市場全体に強気のシグナルを送るものと言える。
600億ドルの価値を消し去ったステーブルコインのTerraUSDとLUNAの崩壊を受けて、ビットコインの価格は昨年11月の最高値の6万9000ドルを50%以上も下回っている。それに伴い、暗号通貨市場全体の時価総額も縮小し、数カ月前の半分以下の1兆3000億ドルにまで下落した。
この影響は、株式市場にも波及し、バイナンスの競合の取引所のコインベースの株価は、年初から60%以上急落した。
投資家の中には、今回の市場の下落が昨年300億ドルという記録的な額を調達したスタートアップに波及することを懸念する者もいる。
しかし、一部の投資家は、この状況にもかかわらず、次の成長を見据えて新たな資金の注入を急いでいる。アンドリーセン・ホロウィッツの暗号通貨部門のa16z cryptoは先日、Web3関連の投資に向けた4番目のファンドのために45億ドルを調達したと発表した。
バイナンスラボの投資・M&A担当のケン・リーはCNBC の取材に対し、「評価額が10億ドル以上のスタートアップの勢いは少し減速しているが、アーリーステージの企業は影響を受けていない」と語った。