CDCのロシェル・ワレンスキー所長によると、マサチューセッツ、フロリダ、ユタ、ワシントン、カリフォルニア、バージニア、ニューヨークの7州で感染者が確認されたという。
ワレンスキー所長は、すべての感染者はゲイやバイセクシャルの男性など、男性間で性行為をした男性だと述べており、「スティグマ(負のイメージ)ではなく、科学によって導かれる戦略」で対処することを呼びかけたと、CNNは報じている。
感染者の中には、最近、感染が広がっている地域を旅行した人もいれば、そうでない人もおり、これは一定レベルの「コミュニティーの広がり」を示唆しているとワレンスキー所長は述べたという。
世界保健機関(WHO)は26日、世界の約20カ国で200人以上のサル痘の感染者が確認され、その多くがヨーロッパで発生していると述べていた。サル痘は、性感染症とはみなされていないが、人や動物などのウイルスを持つ相手との密接な接触によって感染するとされている。
ワレンスキー所長は26日の記者会見で、「感染者らが互いにどのような接触を持っていたか」を把握するための、積極的な調査を進めていると述べた。
ホワイトハウスの生物防衛担当シニアディレクターのラジ・パンジャビ博士は「LGBTQコミュニティ以外のグループも、警戒を怠らない必要がある。特定のグループに所属してるかどうかにかかわらず、感染は起こり得る」と記者団に語ったとCNBCは報じている。
サル痘の症例は通常、中央および西アフリカの一部で見られるが、欧米諸国では、今月初めからサル痘の症例が報告され始めた。それ以来、英国、スペイン、ポルトガル、イタリア、フランスを含む多くの欧州諸国で患者が発生している。
サル痘の初期症状には、発熱、筋肉痛、頭痛、悪寒などがあるが、今回の流行による死亡者は報告されておらず、CDCによると、ほとんどの患者は特別な治療を受けなくても、2週間から4週間で回復するという。それでも、CDCは23日に、米国が天然痘の発生に備えて集めたワクチンで、サル痘にも有効とされるデンマークのババリアン・ノルディックが製造したワクチン「Jynneos」を国家備蓄から放出すると発表した。