米株式市場で小売り株はここ数週間、インフレの影響などによる業績不振から売り込まれていたが、25日は百貨店コールズの身売り観測などが好感されて反発した。ただ、消費動向の先行きが不透明さを増すなか、今後も波乱含みの展開になると市場では予想されている。
小売り株など消費関連銘柄はこの日、買いが広がった。買収額は引き下げられる見通しであるものの、複数の企業がコールズの買収提案の準備を進めているとロイターが報じたことが手がかりになった。前日に発表された同業のノードストロームの四半期決算が好調で、通年の売上高見通しも上方修正されたことも買い材料になった。
バイタル・ナレッジの創業者アダム・クリサフリによると、決算シーズンを通じて「壊滅的」な状態だった小売り株に買いが入ったのは数週間ぶり。スポーツ用品店ディックス・スポーティング・グッズの株価も約10%安から10%高に反騰した。
小売り株で構成する上場投資信託(ETF)「SPDR S&PリテールETF」も25日は前日比6%高となった。それでも、主要企業の四半期決算が予想よりも低調だった影響で今月は20%ほど下げている。
ターゲットやウォルマートなどが先週発表した四半期決算は振るわず、各社ともインフレ圧力による収益への影響に神経をとがらせている。
市場関係者らは、企業側が昨年のサプライチェーン問題の反動で大量の在庫を抱えるなかで、消費者側がお金を使う対象はモノからサービスに移ってきていることも業績に響いていると指摘している。
リージェントアトランティックのアンディー・カピリン最高投資責任者は、消費者の需要が変化するペースは速く、予測しがたいものになっているため、これまで米国人の決まった買い物パターンに頼ってきた小売企業は難題に直面すると予想。「消費者の行動がますます読みにくくなるにつれて、今後数四半期、小売企業は浮き沈みが激しくなりそうだ」と警戒感を示している。
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