会話の主導権を取り戻すための3つのステップ

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就職面接であれ、自分の価値を証明できる唯一の場であれ、相手が喋ってばかりでうまく口を挟めない。そんなときは、一歩踏み出して主導権を取り戻そう。最初から最後まで、相手の独壇場にしてはいけない。会話は双方向に言葉が行き来するものであり、やりとりに貢献できるチャンスは、双方に与えられてしかるべきだ。

そこで、発言の機会を得て自らの価値を証明するためにはどうすればいいのか。そのコツを3つ紹介しよう。

1.まずは相手の話を聞く


相手ばかりがひっきりなしに話していることに気がつくと、歯がゆさを覚えるかもしれない。内心、「会議の予定は30分しかないのに、相手はもうずいぶん休む間もなく話し続けている。このまま会話を独占されてしまったら、自分の価値を伝えられないのではないか」と焦りを感じることもあるだろう。

すぐさま相手の話を遮りたくなるだろうが、そこはぐっとこらえよう。そしてしばらくは、その話に耳を傾けよう。相手はもしかしたら、対処すべき最も重要なポイントをあなたに伝えようとしているのかもしれない。あるいは、あなたが成功できる道筋を示している可能性もある。

2.話のポイントを抜き出し、自分なりに要約して伝える


あなたがすべきは、相手の話のポイントを理解することだ。相手の考えをくみ取って、大事な論点を抜き出そう。そうして理解したことを自分の言葉で相手に伝える。たとえば、「お話しくださり、ありがとうございます。伺った内容から、3つのポイントが見えてきました……」と返してもいい。

相手の言いたいことを的確に見抜き、自分なりにまとめて伝えれば、感心されるはずだ。話にしっかりと耳を傾けていたことを態度で示そう(人の話を聞く人は、好感度がアップすることが、米ハーバード大学の研究で示されている)

相手の話をきちんと理解していること、それを理路整然と言葉にできることを証明するのだ。明快なコミュニケーションは難しい。ストレスの大きい状況であればなおさらだ。

3.ポイントごとに、自分の価値を付加して話す


相手が話した内容を、ただまとめただけでは不十分だ。ポイントごとに、自分がどのような価値を付加できるかについて説明しよう。

たとえば、「難解な情報を分析できる人材がほしい」というのが、相手の言いたいポイントだったとする。その場合は、「その点についてお話しさせてください。ひとつめは、複雑な情報について批判的思考ができる人間がほしいということですね。実は、私が〇〇に取り組んでいたときに……」というように返す。

ポイントに言い添えるかたちで、自分の価値を示そう。相手から尋ねられるまで、自分の考えを述べるタイミングを待つ必要はない。自ら話す機会をつくりだし、持っている情報のなかで、相手にとっていちばん価値のあるものを伝えよう。自分の価値を示せるようなかたちにもっていき、会話をリードするのだ。

自分の価値を証明できる唯一の場だというのに、相手が会話を独占してしまっている。そんなときは、主導権を取り戻してほしい。相手の話に耳を傾け、ポイントを的確に抜き出してまとめ、ポイント別に自分の価値を付け加えるようなかたちで、自分の考えを伝えよう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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