深刻化する「人為的」気候変動の影響、米でも甚大なハリケーン被害

2017年9月9日、フロリダ州マイアミを襲ったハリケーン「イルマ」(Photo by Joe Raedle/Getty Images)


2021年に米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究は、ハリケーンがカテゴリー3(風速が時速111マイル/秒速約50メートル以上の水準)に達する可能性は、主に気候変動を原因として10年ごとに約8%増えていたことを発見した。

ハリケーンやその他の暴風雨の激しさが増し頻度が増えるにつれ、死者の数も増えている。米国立環境情報センター(NCEI)によると、米国では2021年、激しい暴風雨により114人が死亡し、それまでの40年の平均値であった1年当たり約45人を上回った。

4月に発表されたこの研究の著者の一人で、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の気象研究者であるケビン・リードは米紙ニューヨーク・タイムズに対し「これは、緩和・適応できるかを見極めなければならない世紀末の問題ではない」と述べ、「この問題は、現在の天候や異常気象に影響を与えている」と続けた。

米海洋大気局(NOAA)の沿岸管理局によると、風雨や気候災害により米国で1980~2021年までに生じた損害額は約2兆1600億ドル(約280兆円)だ。

翻訳・編集=出田静

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