ショピファイは11日、取締役会が1対10の株式分割案を承認したと発表した。分割案は6月7日の株主総会で承認され、6月28日に発効する見通しだ。
同社は、株式分割によってより多くの投資家がショピファイの株式にアクセス可能になると述べている。また、同社の共同創業者でCEOのトビ・ルーク(Tobi Lutke)による「長期的なスチュワードシップ」の基礎を強化するガバナンス構造の改革も提案された。
同社はルークに創業者株を発行し、彼の持ち分を現在保有するBクラス株式と合わせて40%に高め、買収提案の阻止などの重要な意思決定の主導権を与えようとしている。
このニュースを受けて、ショピファイの株価は11日に2.5%上昇した。
企業のオンラインショップの開設や運営を支援するショピファイの株価は、ロックダウン中のEコマースブームの追い風を受け、2020年に約180%、2021年にさらに20%上昇していた。
しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ策やロシアのウクライナ侵攻による市場の混乱の中で、同社の株価は今年に入り55%以上急落している。
ショピファイは、ここ最近急増する株式分割に踏み切る企業の群れに加わった。グーグルの親会社のアルファベットとアマゾンはそれぞれ2月上旬と3月に1対20の分割を提案していた。テスラも2020年8月に1対5の分割を行った後、株主にさらに別の株式分割を承認するよう求めている。
株式分割は企業の市場価値を大きく変えるものではないが、短期的に株価の上昇につながる場合が多い。テスラ、アマゾン、アルファベットはいずれも分割の発表当日に6%以上の株価上昇を記録していた。
株式分割は株価パフォーマンスを向上させていることが、先月のバンク・オブ・アメリカのデータで示された。同社によると、株式分割を発表した企業の株価は、その後の12カ月間で平均25%上昇していた。
フォーブスは、ショピファイのCEOのルークの保有資産を56億ドル(約7025億円)と試算している。彼は2015年に評価額13億ドルで上場した同社の株式の約6%を保有している。現在のショピファイの時価総額は、750億ドルに膨れあがっている。