そしてもうひとつ、新しいiPhone SEは本体ガラス素材の耐久性能がアップしたことについても大事なポイントとして言及しておきたい。
iPhone 13シリーズの背面に採用する耐久性の高いガラス素材が、第3世代のiPhone SEのディスプレイ側カバーガラスと、背面を覆うガラスの両方に使われている。本体側面の素材は航空宇宙産業で使われているものと同じグレードのアルミニウム7000シリーズだ。
iPhone SEを選ぶユーザーの中には、最新機種を頻繁に買い換えるガジェットファンよりも、1台のスマホを長く使い続ける層が多いことを見越して、アップルは「キズや破損に強いiPhone」を魅力として打ち出した。
ディスプレイ側と背面の両方にiPhone 13のリア側ガラスパネルとして採用した強化ガラスを使っている
ストレージサイズが最も小さい64GBモデルの販売価格を新旧iPhone SEどうしで比較すると、第3世代のiPhone SEは8000円ほど値上がりしている。
8000円分の価値は、最新のA15 Bionicチップを載せて、5G対応になったことだけでも“おつり”が来ると筆者は思うのだが、今年に入ってから国内の大型家電量販店などで4G対応の第2世代iPhone SEが安価に売られていたケースもあったことから、これから新しいiPhone SEの購入を躊躇する向きがあるかもしれない。
日本国内でも利用できるエリアが広がっている5Gネットワークによる高速通信に、新しいiPhone SEも対応する
でもやはり、今では国内にも5Gでつながる通信エリアが拡大したことや、そのメリットが5Gでコンテンツをストリーミング、あるいはダウンロードする時の速さと安定感を実感させるほどにもなっていることから、これから買うなら5万円台から購入ができて、「長く使って元が取れる」5G対応のiPhoneを選ぶ方が賢明だと思う。
iPhone 13/13 Proシリーズに新色を追加
今回アップルは、昨年秋に発売したiPhone 13シリーズとiPhone 13 Proシリーズにグリーン系の新色を追加することもイベントで発表した。iPhone SEと同じ3月18日に発売される。
iPhone 13シリーズ、iPhone 13 Proシリーズの計4機種にグリーン系の新色が加わる
もちろん色の好みには個人差があるだろうが、日本国内では特に新生活シーズンが訪れることから、この機会にiPhoneの購入を検討していた人々の背中を押すことになりそうだ。
アップルは昨年もこの時期にiPhone 12シリーズの新色「パープル」を追加した。この戦略がiPhoneのセールスを“中押し”する効果が得られたのだろう。アップルはこれからもエントリーモデル、または新色をこの時期に投入して、iPhoneの印象をリフレッシュする「iPhone、春のリブート戦略」を続けるのかもしれない。この時期に新しい機種を発表してiPhoneと戦ってきたライバルにとっては厄介だ。
第3世代のiPhone SEは、高性能なA15 Bionicチップを載せたことで、暗い場所で従来よりも明るく色鮮やかな写真が撮影できたり、カメラの基本性能もブラッシュアップされているようだ。また機会があれば実機のハンズオンレポートも報告したい。
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