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Asia

ferdyboy / Shutterstock.com

東南アジアの配車サービス「グラブ(Grab)」の運営元のグラブホールディングスは11月11日、第3四半期の純損失が前年同期の6億2100万ドルから9億8800万ドル(約113億円)に拡大したと発表した。これは、例外的な費用が発生したことに加え、ベトナムでの新型コロナウイルスの再流行によって、配車サービス部門の売上が落ち込んだことによるものという。

この損失には、償還可能株式の未払い利息や株式ベースの報酬、投資先の公正価値変動など、7億4800万ドルの非現金項目が含まれているとグラブは声明で述べた。

同社は、年内にSPAC(特別買収目的会社)のアルティメーター・グロースと合併しナスダックに上場する計画で、合併が完了次第、これらの費用はなくなると見込んでいる。上場時に45億ドル規模の資金を調達し、グラブの企業価値を約400億ドルに引き上げることになるこの取引は、過去最大のSPAC上場となる。

グラブは、第3四半期の売上高が前年同期比9%減の1億5700万ドルになったと発表した。これは主に、ベトナムで厳しいロックダウンが続き、第3四半期のほとんどの期間、配車サービスやフードデリバリーが停止したことによるものだ。

配車サービスの不振にもかかわらず、第3四半期のグループ全体のGMV(流通総額)は32%増の40億ドルとなり、過去最高を記録した。フードデリバリーのGMVは63%増の23億ドルに達したという。

グラブの共同創業者でCEOのアンソニー・タンは、「回復の兆しが見え、経済活動が徐々に再開しつつある中で、我々のビジネスにも追い風が吹いている。成長が見込める分野への投資にさらに注力し、グローサリーなどの新たな市場を強化する」と述べた。

グラブは、パンデミックの影響でEコマースやデジタルプラットフォームの導入が加速する中で、フードデリバリーや金融サービスに進出している。今月初め、グラブマート(GrabMart)は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムのスーパーマーケットや食料品店と提携を結んだ。

グラブはさらに、EコマースのLazadaグループと提携し、GrabExpressを通じたシンガポールの消費者への即日配送サービスの提供を開始した。

シンガポールでデジタル銀行立ち上げ


グラブは10月、インドネシアの電子ウォレットサービスOvoへの出資比率を2倍以上に引き上げると発表した。同社はまた、通信大手のシングテルとの提携により、来年シンガポールでデジタルバンクを立ち上げる予定だ。

グラブは、2012年にアンソニー・タンとタン・ホイ・リンらが共同創業したタクシーの予約アプリとして始動した。その後、配車サービスやフードデリバリー、デジタル金融サービスなどに事業を拡大し、スーパーアプリに成長した。グラブは現在、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの400以上の都市でサービスを提供している。

編集=上田裕資

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