研究チームは、曜日によってストレス要因に対する認識が異なる可能性について、次のように述べている。
「金曜日には…(従業員は)ストレス要因に対してよりうまく対処し、時には無視することさえできる。その週のストレスへの曝露は終わりに近づいていると知っているからだ。一方、月曜日に遭遇したストレス要因は、その後の数日間にわたって付いてまわる可能性がある。従業員は、(ストレスから完全に回復する見込みがないために)自身のストレス要因への対処能力を低く見積もるのかもしれない。その結果、ストレス要因をより深刻なものと受け止め、仕事の満足度が低下すると考えられる」
一方、長期休暇と週末はどちらもオフの時間であるが、それぞれが従業員に与える影響は異なる可能性がある。研究論文の筆頭著者を務めたイスラエル、ハイファ大学のアシスタント・プロフェッサー、シャニ・ピンデック(Shani Pindek)によると、一般に従業員は、長期休暇が近づくにつれて仕事量が増加すると報告することが知られている。
「長期休暇には、事前準備(休暇そのものの計画と、休暇取得前の業務管理)が必要であり、このことが、休暇前の全体的なストレスレベルの上昇に寄与する」と、ピンデックは述べる。一方、休暇明けの従業員は、幸福感の上昇と、「燃え尽き」感の低下を報告する傾向がある。しかしピンデックによると、残念ながらこうした効果は長くは続かない。
従業員が「憂鬱な月曜日」を乗り切れるように、組織としてこの現象を考慮した対策をとることは可能だ。研究チームは、組織が実施するウェルネス活動のスケジュールは、従業員のニーズがもっとも高まる週明けに設定すべきだと提案している。同様に、ストレスの引き金となりうる大規模な組織改変は、週末に近い日に実施するのがいいだろう。