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主要7カ国(G7)は先週、ロンドンで開いた財務相会合で、法人税の国際的な最低税率を「15%以上」にするという歴史的な合意に達した。

G7がこうした国際課税のルールづくりを急ぐのは、国境を越えて活動する巨大テクノロジー企業の「税逃れ」を防ぐためだ。

たとえば、米マイクロソフトのアイルランド子会社は昨年、3150億ドル(約34兆5000億円)にのぼる利益を計上したが、登記上の住所がタックスヘイブンのバミューダ諸島にあるため、法人税はまったく納めていない。

米アマゾン・ドット・コムも昨年、欧州での売上高が過去最高の440億ユーロ(約5兆8700億円)に達した。しかし同社がルクセンブルクで提出した書類によると、同国に置く子会社は12億ユーロの赤字を計上し、やはり法人税の支払いはゼロだった。

G7の今回の合意は、企業は本社がどこにあれ、最低15%の法人税を支払わなくてはならなくなることを意味する。G7は大手多国籍企業に対して、物理的な拠点を置いているかどうかにかかわらず、商品やサービスが販売されている国で納税させることもめざしている。

経済協力開発機構(OECD)は、こうした対策によって年間500億〜800億ドル(約5兆5000億〜8兆8000億円)の税収が生まれると試算している。

G7は合意について、来月に予定される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などでも支持を広げていく必要がある。フランスのブリュノ・ルメール経済・財務相は、今回の合意は「出発点」にすぎないとし、「15%以上」とされた最低法人税率をできる限り高めることに取り組んでいくと強調した。

OECDによると、アイルランドの法人税率は12.5%と、G7が合意した最低税率よりも低い。

米国の法人税率は2018年に35%から21%に引き下げられた。ジョー・バイデン大統領は28%への引き上げを提案しているが、最近はインフラ法案への共和党の支持と引き換えに、この案の取り下げや最低法人税率15%の維持に応じる姿勢を見せている。

OECDのデータによると、各国の2021年現在の法人税率(実効税率)は以下のとおり。

・オーストラリア:30.0%
・フランス:28.4%
・韓国:25.0%
・スペイン:25.0%
・イタリア:24.0%
・米国:21.0%
・英国:19.0%
・ドイツ:15.8%
・カナダ:15.0%
・アイルランド:12.5%

編集=江戸伸禎

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