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英国で開催予定の第47回主要7カ国(G7)サミットに先駆け発表された報告書からは、G7各国が環境に優しいグリーンエネルギーより化石燃料に多額の資金を投じていることが明らかになった。

同報告書は、開発慈善団体ティアファンド(Tearfund)が、持続可能な開発に関する国際研究所(IISD)や海外開発研究所(ODI)とともに発表したものだ。調査からは、世界の裕福で先進的な7カ国が、2020年1月から2021年3月の間に石炭や石油、ガスに約1890億ドル(約21兆円)を費やしていた一方、クリーンエネルギーはわずか約1470億ドル(約16兆円)しか受け取っていなかったことが分かった。

資金提供の大部分は輸送セクターに対するもので、各国政府が新型コロナウイルス感染症の流行の初期段階で航空・自動車セクター救済のため大規模な計画を承認したことが主な要因だ。

報告書の著者らはこうした救済策により、環境汚染の大きな要因となっている産業がしばらくは維持されるだろうと述べ、「環境に優しい方向を目指す」よう強いる圧力や動機はほとんど与えられていないと指摘した。

化石燃料の比重が高いセクターへのエネルギー関連資金提供のうち、環境保護対策を設けることを条件としたものはわずか17%で、83%(約1570億ドル/約17兆円)は気候変動に関する目標や汚染緩和の要件を全く含んでいなかった。

同報告書は、G7各国がよりクリーンな産業へと正しい移行を達成する機会を失っていると述べ、環境に優しい条件を基にしたアプローチは「最低限必要なもの」であるべきだと主張した。

また、2020年1月から2021年3月までに新型コロナウイルス感染症対策に投じられた資金のうち、クリーンエネルギー対策の利益になっていたものは10ドル(約1100円)のうちわずか1ドル(約110円)だった。

一部の国の政府は汚染度が高いエネルギーへの直接的な資金提供に加え、影響評価プロセスへの適用免除の設定や環境関連の義務に違反した企業への罰則の一時中断、燃料税の適用除外の導入、温室効果ガス排出報告の締め切りの延長など、化石燃料産業に影響を与える規制を縮小してさえいた。

翻訳・編集=出田静

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