コロナ禍はこの複雑な状況をさらに悪化させ、世界中の人たちを巻き込みました。多くの国の間で入国規制がかかっただけではなく、渡航可能な国であっても、日々変わり続ける膨大な数の入国条件を満たさなければならなくなったのです。
旅行会社からしてみれば、このように入国規制が変動し続ける中、各顧客の状況に合わせて全てに対応するのはあまりにも困難です。お金を払うだけで誰かに代行してもらえるなら、そうしたいと考える企業は多いでしょう。
実際、そうしたニーズを取り込んだおかげで、Sherpaは創業間もないスタートアップにもかかわらず、すでにAmerican AirlinesやExpedia、TripActions、Icelandairなどの大手企業を顧客として獲得できています。
旅行需要の回復はこれらの旅行会社にとって文字通り死活問題なので、コロナ後の世界で渡航する際の障壁をなんとかして取り除かなければならないのです。
ワクチンの普及が進み、ようやく明るい兆しが見え始めましたが、新型コロナウイルスを克服した後も渡航規制の多くは当面の間、解除されずに残るだろうと私は予測しています。パンデミックの傷跡はこの先何年も私たちの生活に影響し続け、渡航における煩雑な手続きも同様に定着することになりそうです。
しかし、Sherpaのようなスタートアップがそうした渡航時の障壁を減らし、私たちが次のパンデミックに備えつつグローバル化を継続するための支えとなってくれるでしょう。
連載:VCのインサイト
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