つい最近では、Sherpaというスタートアップに個人的に非常に興味を惹かれました。
Sherpaは渡航規制についての最新情報を提供するスタートアップで、ビザやパスポート、隔離期間、新型コロナウイルス検査などの情報をまとめています。それらの情報をAPIと埋め込み用スニペットを介して旅行会社に提供することで、エンドユーザーが最新かつ信頼できる情報を渡航前に入手できるようになるのです。
また、SherpaのプラットフォームではeVisaやeTAの申請や支払いも可能で、健康状態のオンライン自己申告制度(eHealth Declaration)にも対応しています。
渡航規制というと、このブログを読んでいる読者の方々も、コロナ禍になるまではあまり気にしていなかった人のほうが多いのではないでしょうか。なにしろ、以前は日本のパスポートさえ持っていれば(もしくは、私のように米国パスポートでも)、ほとんどの国で入国時に容易にビザが取得できたのです。
私自身も、友人の結婚式に参列するためにベトナムに行ったことがあるのですが、事前にビザを申請する必要があるかどうか調べようとすらしませんでした。結局、チェックインカウンターの担当者が親切に教えてくれたことでやっと気づき、慌てふためきながらオンラインでビザのエクスプレス申請手続きを行ったことを覚えています。財布は痛みましたが、ビザは取得できました。
このように他国に簡単に入国できると思い込んでいたのは、私がパスポートの信用度が高い国に生まれたからであり、同時に、過去何十年にもわたるグローバル化によって生じた意識の変化によるものだとも言えます。
しかし、世界の多くの国の人たちは、日本や米国のような強力なパスポートを持っていません。彼らにとっての「常識」はむしろ真逆であり、事前にビザを申請しなければならない可能性を考慮することのほうが当たり前なのです。
しかも、申請方法が複雑で、渡航先やビザの種類による手続きの違いもわかりにくいことが多く、渡航における1つの壁になっています。