今回の調査は、バイデン政権の法人税の増税に断固として反対する米国のCEOの組織のビジネス・ラウンドテーブルが、増税を阻止するために数百万ドル規模の広告キャンペーンを準備している中で行われた。
調査に回答した178人のCEOの75%が、増税によって自社の研究開発への投資に悪影響が出ると回答した。また、71%が増税は雇用に悪影響を与えると回答した。
防衛及び航空宇宙事業を展開する多国籍企業レイセオン・テクノロジーズのCEOのグレゴリー・ヘイズは、「パンデミックからの回復に向けて、競争力のある税制を維持することは、米国経済を再活性化させ、米国人に多くの機会をもたらすために必須のことだ」と述べている。
バイデン大統領は先週、「フォーチュン500企業のうち、51社か52社が過去3年間の間、全く税金を払っていない。今こそ現実を直視すべきだ」と述べた。
米国税制・経済研究所の分析によるとフォーチュン500またはS&P 500指数に含まれる企業のうち55社が、2020年に法人所得税を支払っていなかった。
バイデン大統領は、昨年の大統領選挙で法人税率を21%から28%に引き上げるなど、大企業や富裕層への増税を公約に掲げていた。これらの増税を財源として、バイデン大統領は2兆ドル(約220億円)規模のインフラ計画を実行に移し、米国のインフラを近代化し、製造業を活性化させ、雇用を創出することを目的としている。
共和党はバイデンの計画に反対している。さらに、「民主党内のバイデンの敵」と呼ばれるウェストバージニア州のジョー・マンチン議員も28%ではなく25%への引き上げが望ましいと述べている。バイデンは先週、公約に掲げた28%からの引き下げについて「喜んで交渉する」と発言したが、それは別の財源が見つかればの話となっている。
バイデンは今後、超党派の議員グループと会合を持ち、インフラ計画について話し合う予定だ。