ドラフトキングズは前日、投資家向けの説明会で、純売上高の長期見通しを37億ドルから54億ドルへ上方修正したほか、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の目標値も12億ドルから17億ドルへ引き上げていた。市場はこれを好感し、10日のニューヨーク株式市場でドラフトキングズ株は前日比11%強高い69.29ドルで取引を終えた。
ドラフトキングズはこれに先立って発表した2020年第4四半期(10〜12月)の業績も絶好調だった。月間ユーザー数は150万人と前期から50万人急増し、売上高も3億2200万ドルと前年同期比146%の大幅な伸びを記録した。
保有する自社株の高騰によって、ロビンズの純資産額はフォーブスの推定で11億ドルに膨らんだ。ドラフトキングズの関係者でビリオネアになったのは、大株主で取締役にも名を連ねるイスラエル人の起業家、シャローム・マッケンジーに続いて2人目。また、ほかの共同創業者2人の資産額もそれぞれ約5億ドルに増えた。
ドラフトキングズは昨年、特別買収目的会社(SPAC)を通じてナスダック市場に上場。以来、同社の株価は約250%上昇している。
米国でスポーツ賭博は、連邦最高裁が2018年5月、ラスヴェガスがあるネバダ州以外でのスポーツ賭博を禁じた「プロ・アマスポーツ保護法」を違憲とする判断を示したのを機に、需要が高まっている。以後、20州とワシントン特別区がスポーツ賭博を合法化し、ほか5州でも営業は始まっていないが法案は可決済みだ。
ドラフトキングズは米国のオンラインスポーツ賭博市場について、すべての州・特別区で合法化されれば220億ドル規模に拡大するとの見通しを示している。スポーツ賭博の合法化はカリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州、ニューヨーク州でも検討されている。4州の人口は合計で1億人を超える。
同社の業績予想も、スポーツ賭博を合法化する州がさらに増えることを前提としている。アイフラー法律事務所のファウンディングパートナー、ジェフ・アイフラーは「これら4州を制する者が市場の主導権を握る」と予想している。